戦後、日本の民主化教育のためGHQ、連合国軍総司令部が提供したフィルムが、県映像センターに残されています。
フィルムには、当時のアメリカやイギリスの生活が紹介された映像が収められていて、多くが劣化し、処分される中、一部が保存されています。
戦後80年の今年、この貴重な映像が県民に貸し出されます。
GHQが、戦後、荒廃した日本に持ち込んだ貴重な16ミリフィルム映像。
アメリカ人やイギリス人の日常生活が映し出されています。
GHQが、日本人の民主化教育のため、提供したアメリカ製の映写機とフィルム映画は、1947年から、国が全国各地に配布、貸与し始めました。
富山県では、当時、県映像センターの前身にあたるフィルムライブラリーが設立され、映写機とフィルムを使い、上映会が開かれました。
一時、382本あったフィルム。
しかし、摩耗・劣化が激しく、多くが処分される中、現在、残っているのは22本だけです。
中には、東京巨人軍の渡米遠征記、そして、あの世界的に有名なエンターテインメント会社の映画もあります。
*県映像センター 大野尚志課長
「印象に残ったのはディズニー会社が作った結核が治るアニメーションの短編映画」「ディズニーの会社が作ったということで大変貴重」
結核について、解説するウォルト・ディズニー社製の珍しいフィルムです。
*リポート
「戦後、GHQが占領政策のために作ったフィルムがDVDとなって、今月から貸し出しが始まりました」
県映像センターは、貴重な映像を残そうと20年前にフィルムをデジタル化しました。
これまで、館内で保管してきたDVD。
戦後80年、昭和100年、節目の年にあたる今年度初めて一般向けに貸し出すことにしました。
*県映像センター 大野尚志課長
「なんでフィルムがあるのか、発見するまで分からなかった。県内でもGHQという言葉を知っていても、フィルム提供があったということを知らない人もいる。地元の郷土の大事な歴史の1ページなので、色んな人に見てほしい」
デジタル化され、保存されることになったフィルム映像。
しかし、課題も残されています。
*県映像センター 大野尚志課長
「作品の内容を保存するのはできたが、フィルムの劣化そのものは適切な温度管理でも劣化は進んでいく。
これを次の時代へとどう繋げていくかが悩ましい」
戦後にもたらされた「貴重な映像」。
後世に引き継ぐ取り組みが続いています。
DVDの貸し出しは、今月から始まっていて1週間借りることができます。
戦後80年、県映像センターは地域や家庭で、広く県民に映像を見てほしいと話しています。