上山市に県内で初めてとなる国指定の「学びの多様化学校」が開校し、記念の式典が行われた。不登校の子どもたちなどが、自分のペースで学ぶことができる新たなスタイルの学校だ。
4日、開校式を迎えたのは上山市立西郷小・中学校、通称「上山きらり学園」。
この学校は、県内で初めてとなる文部科学省から指定を受けた「学びの多様化学校」で、さまざまな事情で学校に行きづらさを感じている児童・生徒が、自分のペースで学べる新たなスタイルの学校。
3年前に閉校した旧西郷第一小学校の校舎を活用して開校し、着任した教職員や関係者が出席して開校を祝った。
（上山きらり学園・西田浩校長）
「わかった！ できた！ やり切った！ という成功体験や達成感を味わってもらう。これまでの『学校はこうあるべき』『子どもはこうでなければならない』といった固定観念を脱却し、子どもたちにとって明るく楽しく頼りたくなる、新たなスタイルの学校づくりに挑戦していく」
入学できるのは、上山市に住んでいて、在籍の学校を年間30日以上欠席したり別室登校をしたりしている児童・生徒。
上山きらり学園では、一人ひとりがゆとりを持って自分のペースで学ぶことができるよう登校時刻を遅らせ、1日の授業時間を短く設定しているほか、つまづきや苦手を克服するための「学び直し」の時間も設けられている。
校内にはこんな場所も…。
（リポート）
「児童・生徒の休憩スペース・プレイルームです。好きな本を選んで読んだり、かるたに折り紙・塗り絵をして遊んだり、さらに大きなクッションに座ってくつろいだりと、自由に過ごすことができます」
教室のわきにもソファなどが設置され、授業の合間でも自分の判断でクールダウンできるように工夫されている。
開校式の後、市長や関係者が校内を見てまわった。
（上山市・山本幸靖市長）
「多様化する子どもたちにとって、どういった形で学ぶにしても、それが子どもの個性を生かして、将来その個性を生かした社会生活を送ることができれば、子どもにとっての教育につながると思っている。目を輝かせながら自分のぺースで成長していく姿を思い浮かべていた。そんな子どもたちが1人でも増えていくといいなと願っている」
上山きらり学園の転入学式は4月18日で、小・中学校あわせて10人の児童・生徒が新たな学び舎での生活をスタートさせる。
上山きらり学園は上山市民しか入ることはできないが、今回、転入学する児童・生徒の中には、ほかの市町村から住所を移して転入学するケースもあったという。
この学校は、年度の途中でも転入することができる。
