4月に入っても止まらない物価高の波。
洋菓子店の倒産が過去最多となる中、あるもので工夫し乗り切ろうとする店がありました。

4日、「イット!」が取材したのは、東京・杉並区に店を構える洋菓子店「Le Coeur Pur」です。

高温のオーブンで焼き上げたサクサクのタルト生地。
そこにカラメルとシナモンの自家製ソースで煮詰めたリンゴを豪快にトッピングしますが、シェフから聞かれたのはリンゴが高いという声。

Le Coeur Pur・YOSHI SUZUKIシェフ:
リンゴ高いのでとても大変ですけど、お客さんが喜ぶためには、このくらいのせないと。

相次ぐ原材料の高騰に頭を悩ませていました。

Le Coeur Pur・YOSHI SUZUKIシェフ:
チョコレート・バター・クリームも上がってるし、小麦粉も上がってる。卵は結構上がってます。

こうした値上がりは店にとって大きな死活問題です。

帝国データバンクによりますと、2024年度に倒産した洋菓子店は51件。
この主な要因は、小麦粉や砂糖、バターなど原材料の価格高騰でコストがかかり、店の利益に影響が出たため。

取材に訪れた洋菓子店では、ケーキの材料を工夫し原材料の高騰を乗り切ろうしていました。

シェフが取り出したのはホウレンソウ。

作っていたのはホウレンソウを使用したケーキです。
ホウレンソウの生地にホウレンソウとバナナで作ったクリームをのせ、そこに、ゆでたホウレンソウを3枚巻けば、店自慢の「ほうれん草のケーキ」の完成です。

他にも赤カブやセロリを使ったケーキも。
野菜自体も高騰しているものの、コストを抑えるメリットがあるといいます。

Le Coeur Pur・YOSHI SUZUKIシェフ:
野菜は上がっているとはいえ、他のお菓子の材料より安く買える。(普通のケーキに使う砂糖より)15%くらい減らせる。

原材料が高騰する中、工夫の一品にも注目です。