国民の記憶に深く刻まれた1970年大阪万博。
記者リポート:大阪です!2度目の万博が大阪に決まりました。
55年ぶりに…万博が帰ってくる!
街の人:すごくうれしいです!
大阪府知事(当時) 松井一郎さん:圧倒的な光り輝くベイエリアですよ。もう二度と負の遺産なんて言わせない
その会場は、「負の遺産」とも呼ばれた「夢洲」。
夢洲駅の開発や、公式キャラクター「ミャクミャク」の誕生など、壮大なスケールで準備が進んだ。

■増額につぐ増額で会場建設費は倍増 海外パビリオン建設の遅れなど課題山積
一方で、当初は1250億といわれていた会場建設費は2350億になり、ほぼ倍増という結果になった。
大阪府 吉村洋文知事:これで最後の増加」「増額」「国民の皆さんにもおわびをいたします。
海外パビリオンの建設遅れなど課題が山積するなか、各国の担当者が相次いで日本へ。
海外パビリオン担当者:絶対に成功すると確信しているよ!
海外パビリオン担当者:間に合います!間に合います!
急ピッチで建設が進み、大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」も完成。
いよいよ、その全体像が見えてきた。

■「ミャクミャクぐらいしか分からない」中身が分からず 来場意向度が伸び悩む
いよいよ近づいてきた万博。なんといっても、その“華”は各国のパビリオンだ。しかし…。
街の人:万博っていう名前だけ先行してて、何やるか分かってない。
街の人:ミャクミャクぐらいしか分からない。
街の人:USJみたいなんやったらいきたいな。うん!
そう、1カ月前になっても、ほとんど中身が知られていないのだ。
実際、「万博に行きた~い」という思いが伸び悩む大きな理由にも…。
と、いうことで今回「newsランナー」万博取材班は、急ピッチで工事が進む現場を独自取材!謎のベールに包まれた各国のパビリオンを取材。その魅力と現在に迫る。

■日本の“かわいい”文化との融合で来場者のハートをつかむドイツパビリオン
まず、トップバッターは…“かわいい”で勝負のドイツ。
1970年の大阪万博にも出展したドイツ。ドイツ人の建築家も関西テレビに出演し、工業大国らしい独創的な形のパビリオンをPRした。
そんなドイツは今回、全く逆の方向で来場者のハートをつかもうともくろむ。その秘密兵器が…。
ドイツパビリオン担当 レア・キミニッヒさん:お客さんがパビリオンに入ったときに、“サーキュラー”。ドイツパビリオンのマスコットのオーディオガイドが渡されます。ドイツ語・日本語・英語が話せる。
か、かわいい!まるっとしたフォルムが愛らしい公式キャラクター「サーキュラー(循環)」だ。
ドイツが売りにするのは、日本の“かわいい”文化との融合。
来場者がいる場所をサーキュラーが認識して、展示の説明をしてくれたり・・・このようにくっつけると、色が変わる!

そして、テレビ初公開!“かわいい”全開の目玉の展示が…。
ドイツパビリオン担当 レア・キミニッヒさん:サーキュラーちゃんがいっぱいいます」
「サーキュラーと私」がテーマのこのエリア。
訪れた人はゆっくりと回転する地面に座って映像を見ながら、環境への負荷を減らす「循環社会」のために何ができるかをサーキュラーと一緒に考える。
他にも好きな色やデザインを選んで、“マイ”サーキュラを作ることができたり、そのサーキュラーをモニターに反映できたりと、とりあえず何が何でも「サーキュラー」推しのドイツパビリオン。
まだまだ準備中の部分もあり開幕が楽しみだ。

■声が音楽に!? 最新エンタメ×芸術が融合する韓国パビリオン
さて、続いては…最新エンタメと芸術が融合する韓国。
記者リポート:こちら韓国のパビリオンなんですが、壁一面、巨大なスクリーンになっているんです。
奇想天外な世界観に仕上がっている韓国パビリオン。
完成間近のパビリオンの内部をテレビ初公開!
建物内に入ると…壁一面に設置されたカメラのような機械。世界的ヒットドラマイカゲームばりに監視されている気分になる、すこし不気味な空間だ…。

実はこれ照明器具!
いったい何に使うかというと、この建物の中に入る前に立ち並んでいたブースに秘密が。
記者リポート:パビリオンの前にあるこちらのブースなんですか、ここで録音された声がAI技術で音楽に変わるということなんです。

声が音楽に?いったいどういうことなのか、担当者に聞くと…。
韓国パビリオン担当 李俊京さん:外で『ごめんなさい』って言ったら、最初は『ごめんなさい』って聞こえる。でも2~3分たったら、他の人たちの声と混ぜて、リズムがつくので、自然な“ひとつの音楽”になる。
(Q.リズムがつくというのは…?)
韓国パビリオン担当 李俊京さん:ひとつになる過程…プロセスが言葉で説明するのが難しいですね。
担当者も説明するのに苦労しているのだが…。自分や他の人の声が合わさることで、オーケストラのような音楽が完成したり、照明の光を操ったりする技術だそう。
他にもパビリオンでは韓国グルメなども楽しめるという。

■テーマは“コモングランド” 球体で360度流れる映像を見ながら環境問題を考えるオランダパビリオン
そして、3つめは…全てが「マル」~いオランダ。
「マル」~い球体が建物に埋まったような外観のオランダパビリオン。
「太陽」をイメージしたデザインで、上空からは日本の国旗のようにも見えるそうだ。
オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん:テーマはこちらになります。“コモングランド”。直訳すると“共通の地”。いろんな人たちが同じ場所で集まることによって、新しい発想が生まれるという考えです。
なんとも「マル」~い考え方。

さっそく中に入ってその「マルい」展示の秘密を探ります。
オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん:球体の真下に来ましたが、これから中へ入ります。中に入っていく前に、これを是非お持ちいただきたいと思います。
丸いデバイスを手に、丸い球体の中に入るのがオランダパビリオンの楽しみ方。展示物にかざすと光る仕組みだ。ちょっとドイツパビリオンの“サーキュラー”と似ていますが、気にせず行こう!
記者:うわ、近い!
オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん:球体が近くに見えてきましたね。
記者:外から見るのと雰囲気が違いますね。
オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん:360度流れる映像を見ていただけます。
様々な展示を通して、環境問題などの解決策を一緒に考える場にしたいということだ。

そんなパビリオンで提供されるのは、オランダの「マル」~い定番スイーツ。
固めのワッフルにキャラメルシロップを挟んだストロープワッフルだ。
現地のツウな食べ方を伝授してくれた!
オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん:コーヒーの上に乗せることによって、中のシロップが溶け溶け。
記者:いただきます。ほのかにコーヒーの香りがして、甘さとマッチしてすごくおいしいです。
オランダパビリオン担当 マルタイン・フーリさん:故郷の味がします。日本のみなさん、オランダパビリオン来てや!

■まだまだベールに包まれたままのアメリカ・中国
三者三様、それぞれの魅力があったドイツ・韓国・オランダ。
少しずつ各国のパビリオンが明らかになりつつありますが、なかにはこんな国も…。
70年万博では「月の石」を引っ提げて日本に上陸したアメリカ。パビリオン前はいつも長蛇の列だった。
今回の万博ではアメリカの食や音楽を楽しめるということで、期待が高まるが…。
1カ月前となった今も、外観の公開すら許されておらず、その詳細はベールに包まれたまま。

そして、木造建築に漢字がずらりと書かれた中国。
建物の工事は順調なようだが…。
記者:切れた…。出ませんでした。
何度取材依頼をしても応じてもらえず、一体中で何が見れるのか、詳細がまだ分かっていない。
さぁ、いよいよ大阪・関西万博まで1カ月。
開幕のその日、私たちにどんな”世界”を見せてくれるのだろうか!?
(関西テレビ「newsランナー」2025年3月13日放送)
