宮崎県内にある私立大学に勤める教職員2人が、職場結婚したことを理由に雇い止めされたなどとして、大学側を訴えた。原告側は「処分は人事権や懲戒権を濫用したもの」、大学側は「学園の秩序や規律を乱した重大な規律違反の問題」として裁判で争う姿勢を示している。

「結婚を学長兼理事長に報告すると、雇い止めにすると通告された」

宮崎産業経営大学 元助教 原告の女性(30代):
結婚しただけで雇い止めなのかと大変衝撃を受けた。結婚かキャリアかどちらかを選べと言われていると感じた。

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訴えを起こしたのは、宮崎市にある宮崎産業経営大学で法学部の助教を務めていた30代女性と、同じ法学部の教授だった40代男性。

原告側によると、2人は2024年7月に結婚。そのことを学長兼理事長に報告したところ、不快感を示され、2025年3月末で女性を雇い止めにすると通告された上、一部の会議や行事への参加を妨害されたという。

このため、2人はあえて離婚届を提出し、事実婚の状態で暮らすことを選んだ。

宮崎産業経営大学 元助教 原告の女性(30代):
私は職場結婚しただけです。なぜこの結婚が間違っていると、非難されなければならないのか。

その後、2人が雇い止めについて異議を唱えると、大学側は、女性を助教から事務職員に配置転換した。男性に対しても、給与の大幅な減額を伴う教授から准教授への降格処分を科したという。

原告側によると、大学側は雇い止めの理由として「小規模大学のため夫婦共稼ぎはご遠慮いただく」という不文律があること、また「2人が女性の採用前から交際していて、採用にも影響があった」と判断したことを挙げたという。

原告側は「処分は人事権や懲戒権を乱用したもので、結婚を理由とする不利益な扱いは法に違反し無効である」と主張する。

「女性のキャリア応援を強くうたう大学が学長のひと言で…」

大学と学長兼理事長を相手取り、2月19日付けで、宮崎地裁に地位の確認などを求める訴訟を起こした。

女性は、一連の対応への憤りを、こうあらわにした。

宮崎産業経営大学 元助教 原告の女性(30代):
県内唯一、法学部を擁する大学が女性のキャリア応援を最近強くうたっている大学が、学長のひと言で女性教員の仕事ややりがいを不当に剥奪することは、とても悲しいし強い憤りを感じる。

対する大学側は、「学園の秩序や規律を乱した重大な規律違反の問題」だとして、裁判で争う姿勢を示している。

この裁判の第1回口頭弁論は、4月16日に行われる予定。
(「イット!」 3月13日放送)