占い師の女ら3人が、信者だった男性2人を自殺させた疑いなどで逮捕された事件。

占い師の女は自らを「創造主」と名乗っていたことが分かった。5人の間にあった異様な関係とは…。

■【動画で見る】「創造主」名乗る占い師の女「信者」男性2人を自殺させた疑いなどで逮捕

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3月11日に逮捕された占い師の浜田淑恵容疑者(62)と、信者の滝谷奈織容疑者(59)。

2人は2020年の8月、和歌山県の海で、寺本浩平さん(当時66)と米田一郎さん(当時51)を入水自殺させた疑いが持たれている。

警察によると2人の死因は溺死。寺本さんと米田さんは互いの手がコードで結ばれていた。

■なぜ占い師の女らは信者男性の自殺に関与した疑いが持たれたのか

浜田容疑者と死亡した2人の関係は、占い師と信者。一体なぜ占い師の女らが、寺本さんの自殺に関与した疑いが持たれたのか。

寺本さんが死亡した後、“遺書”が見つかり、次のように書かれていたという。

見つかった遺書:(米田)一郎さんと旅立つ私をどうぞお許しください。コロナ不況で全く仕事がとれなくなり、私の夢は打ち砕かれました。

しかし、この遺書が偽造された疑いがあることが分かったのだ。

寺本さんたちへの自殺への関与を隠ぺいしようと、遺書を偽造した疑いで浜田容疑者と、別の信者の寺崎佐和子容疑者(47)が逮捕された。

調べに対し浜田容疑者は…
浜田淑恵容疑者(調べに対し):4人で死ぬ計画を立てて海に入った。遺書があれば、単なる自殺で早期に終わるかもしれないと思った。2人で勝手に自殺したように見える文書を作成した。

■女ら3人と男性2人の異様な関係

取材で見えてきたのは、5人の異様な関係だ。

大手電機メーカーを定年退職後、スピーカー開発を行う会社の経営を始めた寺本さん。過去にはテレビ番組にも出演していた。

寺本浩平さん:明らかにカーナビなんですね。それでいながら、例えばオーディオの機能です。

警察によると、2008年頃、スピリチュアル・カウンセリングと称した悩み相談を申し込み、浜田容疑者と知り合ったという寺本さん。知人は寺本さんが亡くなる前、ある異変を感じていたという。

寺本さんの知人女性:いかがわしい新興宗教の団体に入ってると。教祖から『死になさい』と言われたかもしれない。『あなたが死ぬと何かみんなが助かる』とか、何らかのことを言われて、それで死んだんじゃないかとまず思いました。

寺本さんと占い師の間には不可解なことがある。 寺本さんの子会社の代表に浜田容疑者が就任。さらに寺本さんの自宅は死因贈与として浜田容疑者の親族のものに。

■「創造主」名乗った浜田容疑者 寺本さんや逮捕された他の容疑者らは熱心な信者か

自らを「創造主」と名乗った浜田容疑者。寺本さんや逮捕された容疑者らは熱心な信者だったとみられる。

寺本さんたちの自殺について浜田容疑者は…
浜田淑恵容疑者(調べに対し):(自分の)交際相手に悪いものがとりついたので、救いたいと思った。寺本さん、米田さんに対して自分の命を絶ち、交際相手を救うことを話すと賛同してくれた。

また滝谷容疑者は…
滝谷奈織容疑者(調べに対し):浜田容疑者に言われたのであれば、それに従わなければならない。

警察は浜田容疑者らの認否を明らかにしていませんが、寺本さんたちを精神的に支配していたとみて調べている。

■「本人の供述(自白)」橋下弁護士がみる立証のポイント

この事件は自殺教唆(きょうさ)、つまりそそのかして自殺させた容疑ということだが、橋下徹さん、亀井正貴さん2人の弁護士に、立証のポイントを聞いた。

橋下さんは「本人の供述(自白)」をポイントとしてあげる。

橋下徹弁護士:報道に出ている話や『newsランナー』のVTRにありましたが、浜田容疑者が別の恐喝事件において、遺書を勝手に自殺したように見えるように文章作成したということ、自殺に見えるようにいろいろ工作していますということを言い始めていますので、丁寧にしっかりと供述を取っていくところがポイントになるのかなと思います。

橋下徹弁護士:(関与をほのめかすスマホの音声データが見つかったという話もあるが)誰の音声データなのかも分からないし、中身もまだ分からないのですけど、ただいま報道ベースで言われている偽造された遺書というものが、自殺を工作するような意図でやったと言っているので、ここをしっかり警察・検察の方で取調べをしてもらいたいです。

■「共犯者の供述」「動機」亀井弁護士がみる立証のポイント

亀井さんは「共犯者供述 動機」をポイントとしてあげる。

亀井正貴弁護士:浜田容疑者が『4人で心中しよう』という話ですから、これはまさに自殺ほう助か教唆になり得る自白になっているんです。それに加えて物証は乏しいので、その意味で共犯者的立場の人間が、自殺教唆等に関して供述をしている。複数の人間が供述しているのが重要です。

亀井正貴弁護士:もう一つは動機です。どうして自殺をしてもらわなければいけなかったかということについて。他の余罪でも財産犯的なものがあるようなので、そのような経済的な何らかの動機があるんじゃないか。ということで動機解明がポイントで、共犯者からも出てくるんじゃないかということです。

供述レベルでも起訴できる材料が揃うのではないかと、亀井さんは見ているということだ。

今後の捜査の進展が待たれる。

(関西テレビ「newsランナー」 2025年3月12日放送)

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