東京大空襲で3万人以上の犠牲者が出た江東区で、空襲から80年を迎えたきょう、平和を願う式典が開催されました。
80年前の3月10日、300機以上のB-29が来襲しおよそ2時間半にわたり、東京に焼夷弾の雨を降らせました。
壊滅的被害を受けた江東区は東京都全域の死者数の4割を超える3万1681人が犠牲となったということです。
式典では犠牲者へ1分間の黙とうが捧げられたほか、15歳の時に木場で大空襲に見舞われた男性の体験記が朗読され、子どもを背負ったまま亡くなった母親の姿や、炎に包まれた街が朝になるころには焼け野原になったことなどが紹介されました。
犠牲者の中には、卒業式のために疎開から戻ったばかりの小学生もいたということです。
大久保朋果江東区長は、「江東区は東京でもっとも大きな被害を受けた。東京大空襲は人類史上空前の無差別爆撃だった」と述べ、「戦争がもたらした悲劇を決して忘れることなく次の世代に伝えていくことが私たちの責務だ」と犠牲者に誓いました。