九州地方を中心に格安スーパーを展開する「トライアルホールディングス」が、大手スーパー・西友を買収すると発表した。傘下に入ることで、西友はどう変化するのだろうか。
IT企業としてスタートした「トライアル」と西友の「お互いを補完しあう相乗効果」が期待されるという。

“弁当と総菜”にこだわり

「イット!」取材班は、千葉市にあるトライアルの店舗に向かった。

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九州地方を中心に340店舗余りを展開する「トライアル」。

郊外にある大型スーパーには、肉や野菜などの生鮮食品から日用品まで、低価格の商品がズラリと並んでいる。

そして広い店内で広報担当に案内されたのが、総菜売り場だった。

トライアルカンパニー マーケティング部・野田大輔部長:
我々が特に自信を持っているのが総菜です。

トライアルのこだわりポイント・その1は、“弁当と総菜”。

卵3つを使ったボリューム満点の玉子サンドは199円で、ロースカツ重は299円。
ともに“安くて美味しい”と評判の人気商品だ。

利用客は「手っ取り早い。 安い。買いやすい。おいしい」「食べやすいサイズ。お手頃価格」と話す。

料理の専門家や職人が商品開発を手がけ、弁当は店内調理により、ほっかほかの状態で提供される。

買収される西友も総菜などのプライベートブランドに力を入れていて、今後はその魅力度がさらにアップするかもしれない。

「レジ待つことなく会計」IT企業の知見活かした戦略

続くトライアルのこだわりポイント・その2は、“次世代型買い物カート”だ。

トライアルカンパニー マーケティング部・野田大輔部長:
レジを待つことなくお会計できるというものが、お客様に非常に支持されています。

トライアルが導入している買い物カートはタブレット端末を搭載しており、商品のバーコードをかざすだけで買い物を済ませることができるのだ。

利用客も、「一気に(レジを)出られるので便利」「並ばなくていい」「楽だよね」と高評価。

トライアルはもともと、流通業向けのシステム開発を行う“IT企業”としてスタート。
そのノウハウが生かされ、西友での買い物も時間が短縮されるかもしれない。

トライアルカンパニー マーケティング部・野田大輔部長:
西友さんは歴史の古い先輩企業。数々のノウハウを持っていると思う。
お互い混ざり合うことで、さらにお客様がお得で便利な小売り業に切磋琢磨していきたいと思う。

「お互いを補完し合う相乗効果」買収のポイントとは

トライアルは今回、西友を約3800億円で買収。

これにより、売上高1兆円規模の小売りグループへ。

現在は九州から北海道まで全国343店舗を展開しているが、東京の店舗は1つもない。

一方、西友は242店舗のうち5割以上が関東にある。
その西友を買収することで、トライアルは関東エリアでの事業拡大を狙う。

この買収のポイントを、フジテレビの智田副解説委員長は次のように説明する。

フジテレビ 智田裕一・副解説委員長:
お互いを補完し合う相乗効果です。
食品などプライベートブランドに強みのある西友のノウハウと、トライアルのITの組み合わせで収益力を上げていけるかが焦点です。
また都心部を中心に、駅の近くの西友の店の周りにトライアルのコンビニ型店舗を出店することで、ニーズに合わせてお店を選んでもらい、地域全体でお客さんを囲い込んでいく狙いもあります。
(「イット!」3月6日放送より)