今関心の高い話題を詳しく解説する急上昇ニュースのコーナー。今回は、3月から運用が始まるマイナンバーカードと運転免許証が一体となった「マイナ免許証」について解説します。担当は生本記者です。

(生本ひなの記者)
「マイナンバーカードと保険証が一体化したマイナ保険証に続き、3月24日から新たに運用が始まるのが免許証と一体となった「マイナ免許証」です。免許証のデータをマイナンバーカードに入れることでマイナンバーカードを免許証としても使えるようにするものです。

完全に移行される保険証とは違って、マイナ免許証の持ち方は3通りあります。免許情報が記録されたマイナ免許証だけにするか、従来の免許証だけを持ち続けるか、これら両方を持つ2枚持ちにするか選べることができます。

・・・保険証のように、全員が置き換わるというわけではないんですね。

(生本ひなの記者)
「そうなんです。持つか持たないかはその人自身で選べます。では一体化することで何がどう変わるのでしょうか?

3月から運用が始まる「マイナ免許証」。いくつかのメリットがあります。

1)オンライン講習
(生本ひなの記者)
「運転免許証更新などの際に運転免許センターなどでこのように対面で受講する必要がある講習をスマホなどから受講することができます」

24時間、どこからでもオンラインで講習を受けることができるというものです。70歳未満で優良・一般ドライバーが対象で、視力検査など講習受講後の更新手続は警察署などで行う必要がありますが、更新にかかる時間を短縮できます。

2)住所変更などのワンストップサービス
住所や氏名などを変更する時、自治体に変更を届け出れば、変更手続きがワンストップ化されているので、警察への届け出が不要となります。

3)手数料が安くなる
マイナ免許証のみを新規取得する場合は1550円、更新する場合は2100円で手続きでき、従来の免許証より数百円安くなります。

一方で注意点としては、カードに免許情報は記載されないため、ポータルサイトからの確認が必要になることや、それぞれの有効期限が異なり、更新手続きは別々になることなどがあります。

(岡山県警運転免許センター 影山龍司センター長)
「マイナンバーカードの有効期限が切れて再発行する際は、警察署などで免許情報記録も更新する必要があり、それに伴う手数料がかかる。(保有形態の)選択肢が増えるので、どういった持ち方をするか検討してもらえれば」

・・・免許センターで講習、更新でかなり時間がかかるイメージ。持つカードの枚数を減らす…お財布の中身を減らしたい人などにはいいかも…そもそも今回の一体化の目的は何なのか?

(生本ひなの記者)
「政府は、自治体職員の事務作業の負担軽減や、業務の効率化を図るため、マイナンバーカードを活用した行政手続きのオンライン化を進めていて、マイナ免許証の導入もその一環になります。マイナンバーカードの保有率は、2月末時点で岡山県では78.5%、香川県では79%と約8割の人が持っている状況です。カードの交付状況の推移を表したグラフでは、ポイント還元施策などの効果で一気に増えました。カードについて、まちの声を聞きました。」

◇まちの人は・・・
(60代・保有している)
「持っている。病院や確定申告の時に使っている」
(20代・保有している)
「住民票を取得したりするのが便利」
(40代・保有している)
「ポイントがもらえるタイミングで作った。まだそんな使っていないので便利という実感はない」
(50代・保有している)
「なくしたときが怖い。保険証など、なんでもそこに統合されると便利な反面、トラブルが起きた時が大変かなというのが懸念」
(30代・保有していない)
「持っていない。面倒くさいというのと、まだしなくても現状、なんでもできているから」
(80代・保有していない)
「作っていいか分からない。年寄りには無理、追い付けない。どうしてもないと年金が入らないということになると対応しないといけない」

OHKアプリで行ったアンケートでも8割以上の人がマイナンバーカードを持っているという結果でした。しかし、保有している人もしていない人も、この政府の施策を「評価しない」という人が過半数という結果に。「説明が分かりにくい」「個人情報に関わるトラブルが多すぎる」など不信感を持つ人が多くみられました。

・・・やはり個人情報に関する不安が大きいんですね。さらに他の証明書と一体化するとなるとそこに全ての情報が入る訳ですから不安を感じる人は多いかもしれませんね。

(生本ひなの記者)
「そうですね。そうした不安に対してしっかりリスクを解消すること、そしてデジタル化のメリット、例えば、行政手続きの効率化や医療・サービスの質の向上などについて納得感が持てるように伝えていく必要がありますね。

今回のマイナ免許証に関しては、いまのところ取得するかどうか自分で選択できるので、自身のニーズに合わせて持ち方を検討していただければと思います」

岡山放送
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