「ニセの逮捕状」による詐欺が増えていて、LINEなどに誘導する手口で若い世代の被害も多くなっています。100万円をだまし取られる被害に遭った30代の男性が、その手口と当時の心境を語りました。

■ポストに投函…相次ぐ「ニセ逮捕状」による犯行

2025年1月、名古屋市中村区の77歳の女性宅のポストに投函されていたという「ニセ逮捕状」。紙には「緊急逮捕」と書かれていて、容疑は「犯罪収益移転防止法違反」でした。

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女性は、逮捕されないために900万円を用意するよう言われましたが、未然に詐欺だと気付き、受け子の32歳の男が逮捕されました。

■「詐欺なら良かった」だまされた怒りよりもまさる“恐怖からの開放”

ほかにもニセ逮捕状による事件がありました。被害に遭ったのは、名古屋市内の30代の男性です。

詐欺被害に遭った男性:
逮捕状は私への逮捕状じゃなくて、架空の事件、架空の人物、主犯格の名前が書いてあった。

2024年10月、「+1」から始まる国際電話番号で「あなたの携帯から大量の迷惑メールが送られている」と、携帯電話会社を名乗る者から電話がありました。

そこから、巧みに警察官を名乗る男のLINEに誘導され、添付されたのは偽の逮捕状でした。「このままだとあなたは逮捕される」などと告げられ、言われるがまま、保釈金名目で100万円を振り込んだといいます。

詐欺被害に遭った男性:
ただ事じゃないと。いつ逮捕されてもおかしくなくて。首の皮一枚でつながっている感覚だったので」

逮捕状で脅され、警察官を装う男の巧みな誘導に男性は、だまされた怒りよりも恐怖から解放された安心感のほうが強かったといいます。

詐欺被害に遭った男性:
ほっとした。なんだ詐欺かよって。詐欺なら良かったと。逮捕されて1年2年出てこられないと言われていた私は、それくらいまいっていた。

若い世代を狙ったLINEを使った特殊詐欺では、2025年1月の警察官を語ったオレオレ詐欺の愛知県内の被害者は、20代と30代が半分以上を占めています。

詐欺被害に遭った男性:
1人暮らしなどで、自分の異変にも周りが気づいてくれない生活環境にいる方、結構引っかかってしまうのではないかと思いました。

(東海テレビ)

東海テレビ
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