短時間で集中的な雪を降らせる、発達した雪雲の列=JPCZが4日以降、北陸地方に流れ込む可能性が高くなっている。そのメカニズムと、大雪に関する気象情報が発令された場合、我々はどのような行動をとればよいのか、気象予報士が解説する。

2月5日の上空5500メートル付近の寒気予想では、平地で大雪を降らせるマイナス36度の寒気が北陸地方をすっぽりと覆う。この今シーズン1番の強い寒気の影響で、 2月4日から7日にかけては大雪になる恐れがある。
発達した雪雲の列=JPCZ発生のメカニズム
さらに、危険な雪の降り方“ドカ雪”になる可能性をもたらすJPCZ (Japan-sea Polar airmass Convergence Zone=日本海寒帯気団収束帯)が流れ込む可能性がある。

大陸から吹く季節風は朝鮮半島北部にある2000メートル級の山にぶつかって東西に迂回し、日本海で再び合流する際に衝突する。 この時に対流活動が活発になって発達した雪雲の列がJPCZだ。このJPCZは長さが1000キロぐらいになることがある。少しずつ位置を変えるが、時々停滞する事があり、そうなるとドカ雪をもたらす。
過去にもJPCZ発生で豪雪に

4年前、福井県内で発生した2021年1月の豪雪では、このJPCZが発生していた。北陸自動車道で約1600台の車が立ち往生し、大規模な交通障害が発生。

さらにその7年前の2018年2月の豪雪でも、JPCZが発生し、積雪は福井市で147センチを観測した。
気象情報の発表基準

まず、大雪が予想されるときは「大雪警報」が発表される。警報発表の基準は市町によって異なるが、福井市や敦賀市は平地で12時間で30センチの降雪が予想されると発表される。

また、実際に大雪になると「顕著な大雪に関する気象情報」が発表される。福井県の場合、6時間で平地25センチ、山地で35センチの降雪が観測され、その後12時間で35センチから50センチの雪が降り大雪が続くと予想された場合に発表される。

「顕著な大雪に関する気象情報」は、車の立往生など、大規模な交通障害のおそれが高まっていることを伝える情報。この情報が発表された場合は、車の立ち往生や大規模な交通障害の発生の恐れがあるので「不要不急の外出はしないでください」ということになる。

2月上旬は、半日あるいは1日で30センチから40センチ、もしくはそれ以上の降雪の恐れがある。これまでの大雪にはJPCZが関わってることを頭の片隅に置いて警戒が必要だ。