北海道札幌市の小・中学校で始業式が行われ、3学期が始まった。
子どもたちの笑顔があふれる通学路だが、路面凍結や交通事故といった危険が潜んでいる。
親子で確認すべき安全対策のポイントとは。
5日間短縮の冬休みが終了 始業式に元気な姿

1月15日、札幌市立の小・中学校など293校で始業式が行われた。
市内の小学校では、夏休みを暑さ対策で延長した影響で冬休みが5日間短縮されたが、子どもたちは冬休みを満喫した様子だった。

「冬休みに楽しかったことは、露天風呂に行ったことです」
「お正月にみんなでご飯を食べに行ったことです」 (いずれも小学1年生)

札幌市西区の琴似中学校では、約730人の生徒が始業式に臨んだ。
「今まで以上に勉強や生活態度を、気を引き締めて頑張っていけたらと思います」 (中学2年 川崎有里紗さん)
厳しい冬と重なる3学期で心配なのが登下校の道だ。
通学路は“ツルツル路面”で危険がいっぱい

「狭い所で滑って車にぶつかってしまわないか、いつもヒヤヒヤします」
「雪は少ないですが、横断歩道などの白い部分が滑るので怖いなと思います」 (いずれも小学生の保護者)

この冬、札幌市では雪が少なく、積雪は平年の半分ほどだ。
通学路にも子どもたちの視界をさえぎるような雪山はほとんど見られない。
しかし、これで安心というわけではない。
冬の事故対策に詳しい専門家はこう指摘する。

「雪山は見えないが、“ツルツル路面”に気をつけてほしい」 (ウインターライフ推進協議会 冨田真未さん)
日中は気温が上がり、朝晩は氷点下まで冷え込む日が続いたため、“ツルツル路面”が発生。特に注意が必要なのは車のスリップ事故だ。

ドライブレコーダーの映像では、登校中の子どもたちが青信号で横断歩道を渡り始めた際、止まり切れなかった車が突っ込み、子どもをはねてしまう様子が映されている。
当時、路面は凍結していた。
このような事故を防ぐためにはどうすればよいのか。
ツルツル路面で事故を防ぐには―

「車道の近くで待っていると車が突っ込んでくるかもしれない。いつもより心持ち離れて待つようにすると、車が来ているのも確認できる。車は急に止まれないので、信号が青になってもすぐに渡らないように。子どもには『車が止まったのを確認してから渡って』と言ってもらいたい」 (冨田真未さん)
また、“ツルツル路面”での転倒にも注意が必要だ。
転びにくい「ペンギン歩き」を覚えることが大切である。

「一歩一歩、歩幅を小さく足を地面にくっつけるような感じで歩きましょう。地面との接着面が小さくなってしまうので、かかとからついて蹴るという動きより、すり足の方が安定した形で転びにくい」 (冨田さん)
冬道3点セットは「手袋」「帽子」「リュックサック」
さらに、万が一転んでしまった際にケガを防ぐための「冬道3点セット」も役立つという。

「ひとつは手袋。もうひとつは帽子。3つ目は両手があくようにリュックサックなどに荷物をまとめることをすすめています。荷物が多くなると、冬道では特に足元が見えにくくなりがち。冬休みで持ち帰ったものをいっぱい持っていくことになるので、できるだけコンパクトにまとめて学校に行くようにしましょう」 (冨田さん)
リュックを背負うことで、転んだ際に頭や背中を打つのを防ぐこともできる。

この機会に、冬道で安全に通学するためのポイントを親子で確認してみてはどうだろうか。