宮崎県ではお馴染みの“日向カボチャ(黒皮カボチャ)”。日本の在来種の1つで、日本料理の最高級食材として使われているが、西洋カボチャの普及で、黒皮カボチャの生産者が減少している。伝統野菜を残したいと、南九州大学教授が15年以上にわたる研究をつづけ、新品種「南九ブラックボールNo.3(NBB)」を開発した。
新品種「南九ブラックボールNo.3」を初収穫

宮崎市の南九州大学が研究を続けている黒皮カボチャの新しい品種。「南九ブラックボールNo.3」と名づけられたこのカボチャ。伝統野菜を受け継ごうと試験栽培が進み、2024年に初めての収穫が行われた。
15年以上の研究の成果は

「南九ブラックボールNo.3」は、宮崎の伝統野菜「黒皮カボチャ」と「西洋カボチャ」を掛け合わせたもので、南九州大学の陳蘭庄教授が15年以上かけて研究している。
南九州大学 環境園芸学部 陳蘭庄 教授:
宮崎の在来野菜は宝ですから、広めさせたいという思いで研究してきた。
黒皮カボチャは日本の最高級食材

黒皮カボチャは、独特のなめらかな舌触りと味わいから、日本料理の最高級食材として重宝されてきたが、西洋カボチャの普及に加え、糖度や収量の低さなどの課題もあり、現在は生産者がたった16人となっている。
いいとこどりの新品種

黒皮カボチャは1本のつるに1つしか実がならないが、「南九ブラックボールNo.3」は1本のつるに2個、3個と実ができて、収量が期待できる。
生産者 杉田浩昭さん:
手間はあまりかからない。実もたくさんなってるし、やる価値はあると思う。
春作に続き2回目の収穫となった秋作は、酷暑や長雨、台風などで日焼けなどがあったものの、おいしいカボチャができた。


秦 萌 記者:
舌触りがものすごく滑らかでしっとりしていて、黒皮カボチャより甘い。

さらに、花や葉、茎までおいしく食べられる。
南九州大学 環境園芸学部 陳蘭庄 教授:
現場でしっかりと栽培できるようにする。大学として、いかにそれをビジネスに繋ぐか。宮崎の経済にも貢献できるようにしたい。

南九州大学では、南九ブラックボールの生産者を増やし、新たなブランドとして価値を高めていきたいとしている。
(テレビ宮崎)