退職代行サービス「モームリ」を提供する会社が、9連休明けの6日に過去最多256件の依頼を記録した。
ハラスメントなど深刻な理由から退職を希望する例が多く、約7割は20代から30代の若い世代が利用している。
ただ、若年層のみならず、50代以上の利用も多いという。

“退職代行”の依頼件数が過去最多

年末年始の“奇跡の9連休”が終わり、徐々に日常が戻ってきた。
その一方、このタイミングで退職を決断する人もいる。
ある退職代行会社では、依頼が過去最多になったという。

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7日のテーマは、「奇跡の9連休直後、退職急増なぜ?ソレってどうなの」だ。

青井実キャスター:
ーー長い休みが終わり、現実へと戻って来た会社員の皆さんに聞いてみましょう。9連休明け、どんな感じですか?

製造業(28):
いきなりフルで5日なので結構大変。憂鬱な感じはある。仕事なので、休みの方がダラダラとリフレッシュできたので、寂しい感じ。

広告代理店(24):
一生休んでいたいと思う。地元から東京に戻ってくるの、何度諦めようと思ったかわからない。地獄のような日々に戻るのが非常に憂鬱。

旅行関係(20代):
満員電車でつぶされる感じが本当に憂鬱で…。(仕事)辞めたいなという気持ちが一瞬よぎりました。

青井キャスター:
代行会社を通じて会社を辞める人が増えているのは、まさにそんなタイミングです。都内で退職代行サービス「モームリ」を提供する会社によると、年間で最も利用者が多かったのは、実は6日でした。

こんな感じで、依頼者の代わりに会社に伝えています。

退職代行サービス・スタッフ:
退職代行モームリのカワマタと申します。このたび御社で勤務されております、●●さまの退職の件でご連絡いたしました。総務か人事のご担当者さま、いらっしゃいますでしょうか。

青井キャスター:
仕事始めだった6日の契約件数は、過去最多の256件。7日も100件を超える見込みだといいます。

ーー社長の谷本さん、この傾向、やっぱり長い休みが続いたことで、仕事に行きたくなくなる人が多いからなんでしょうか?

退職代行「モームリ」・谷本慎二社長:
退職代行はお金がかかるサービス。単に9連休が明けて仕事に行きたくないという軽い理由で退職代行を選ばれた方はいない。ハラスメントやそういう理由が重なって退職代行を選ばれたという方が非常に多い。

青井キャスター:
それぞれに退職理由はあるものの、退職の代行を依頼してくるのは、ハラスメントや精神的な悩みを抱えた人が多いといいます。

退職代行「モームリ」・谷本慎二社長:
ほとんどの方に言えるのは、上司からハラスメントを受けているから、その上司に退職を伝えると、ハラスメントがさらにひどくなるのではないか。それを恐れて言えない。長い休みの中で、今までのことを考えて非常につらくなり、ふさぎ込んでしまい、出勤することができないという方が非常に多い。

青井キャスター:
月ごとの契約数を見てみましょう。退職代行サービスの認知度が上がってきた2024年4月以降は毎月1000件以上あります。この会社では、これまでに2万3000人がサービスを利用し、退職しているそうです。

50代以上の利用も多く最高齢は71歳

青井キャスター:
ーー山口さん、退職代行は社会に定着してきたんでしょうか。

スペシャルキャスター・山口真由さん:
Z世代の非常識と批判されてましたけど、もう一定の潤滑油になってるのかもしれないですよね。

青井キャスター:
だからそれがいいのか悪いのか、どうなのかっていうふうには、この世代はそう思えちゃいますけど。ただ、言えないまで関係が悪化しているというのも、ちょっと悲しいかなという感じもしますね。

この退職代行を利用する人の割合に性別の差はありませんが、約7割は20代から30代の若い世代だそうです。ただ、実は50代以上の方も多いそうで、最高齢は71歳だといいます。

社会のそんな状況を背景に、厚生労働省は、悩みや年代によって選べる電話やSNSでの相談窓口を紹介しています。ですから、1人で抱え込み過ぎずに誰かに相談することで、自分の気持ちを整理・確認することができるのかもしれません。
(「イット!」1月7日放送より)

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