鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」。今回は野川キャスターが“鉄道ファン必見のお店”を発見したとのことで、取材した。
“トレインビュー”の好立地 「安芸山陽模型」
広島電鉄の車庫側から大通りの方に歩いていくと…

「あった、あった、あった。あった!安芸山陽模型」
2024年1月、広島電鉄本社前の道路を挟んで向かいのビルに、鉄道模型を販売する「安芸山陽模型」がオープンした。

代表の岩井さんは鉄道模型好きが高じて、会社勤めをしながら2足のわらじで夢だった鉄道模型店を経営している。

店内には、数多くの模型、またその関連品が並んでいた。
その中から、野川キャスターがレアな商品を手に取った。

「カープのね、毎年ファンを楽しませてくれるラッピングの車両ですよ。2019年のもの。『誠也鈴木』ですよ、皆さん。なかなかお値段もしますけれども。これ欲しい人が欲しいですから。
値付けっていうのはやっぱり、需要と供給で成り立ちますからね。特にこういう世界のものは」と、野川キャスターは熱く語った。

模型もさることながら、なんといっても注目はトレインビューのこの好立地。
野川キャスターは思わず、「ここは狙ってこの場所ですか?」とたずねた。

すると岩井代表は、「そうですね。まあやっぱり、広電本社前電停すぐになると、電車で来られるお客様も分かりやすいですし、電車乗っている方とかも、見やすい位置なので。広電本社っていうのは、やはり広島を代表する鉄道会社ですので。目の前っていうのは、インパクトに残るかなと思いまして」と、テナントを決めた当時を振り返った。
店内にはなんと“巨大ジオラマ” レンタルも可能!
模型の販売に加えて、安芸山陽模型の売上の柱がもうひとつあるとのこと。

“売り上げの柱”はどうやらこの扉の奥。野川キャスターが耳を澄ますと…
「何かがですね。走り回っている音がしております。それも一人や二人じゃないですね」
どうやらとんでもないものが待ち構えている。
扉を開け、中に入ると…
「おおー!すごい。これはすごい!」

そこには全長およそ5.5mの巨大な鉄道ジオラマが!広島やおとなり山口県の情景を意識した構図で作られている。

よく見ると、少し鏡のようにも見える“水を張った直後の田んぼ”が、忠実に再現されているなど、“こだわり”が随所にちりばめられている。
岩井代表は「場所ごとに分かれているんですけど、このS字のカーブのところは、セノハチを。
八本松よりの志和インター入口の近くのところをちょっと意識しておりまして」とこだわりを紹介した。

【野川の鉄道豆知識 ~“セノハチ”とは…?~】
JR山陽線の「瀬野駅」と「八本松駅」の間の区間を俗に「セノハチ」という。急勾配で、“西日本屈指の鉄道の難所”といわれる。東では、群馬県と長野県の境目に位置する「碓氷(うすい)峠」が有名だが、西ではこの「セノハチ」である。

また、東広島市西条町の酒蔵通りをイメージした箇所も。街並みから、酒樽に至るまで、非常に精巧につくられている。

その近くをJR西日本の豪華寝台列車『瑞風』が颯爽と走り抜ける。
実はこのジオラマ、路線ごとにレンタルすることができて、自分の模型を持ち込んで自由に走らせることができるそうだ。全部で6つの路線があり、模型もレンタルできるので初心者でも楽しむことができる。
もっとこだわりポイントを紹介!
この鉄道ジオラマ、まだまだ見どころが盛りだくさんだ。もう少し、“こだわりポイント”を野川キャスターの興奮のようすとともにご紹介しよう。

野川キャスター:
あー!「500系」です!大ベテランですけども、いまだにデザインが古い感じがしない。

野川キャスター:
あ!「ドクターイエロー」とすれ違ってる。500系とドクターイエローが一緒にホームで並んだりとかするところを皆さん待ち構えて、写真を撮ろうとするんだけど…ドクターイエローはスケジュールも公表されていないということもあって、かなり難易度が高い。この、すれ違ったこの瞬間をみんな撮りたいんですよね。ドクターイエローは見たら、その日1日ハッピーでいられるって話がありますけど、500系との並びで撮れたら、1年ぐらいずっとハッピーなんでしょうね。

そしてこれは、岩井代表がもっともこだわったポイント、“貨物ターミナル”だ。
野川キャスター:すごい!そのど真ん中を新快速が通過して行っています。これは広い大きなジオラマですけれども、詰め込ましたね。
岩井代表:模型で並べていただいた時に26両。機関車と補機を入れて停められるようにしてありますので。
野川キャスター:うわー!本当の貨物輸送みたいな情景が作れるってことですね!
豪華寝台列車『瑞風』を操縦!
野川キャスターが鉄道ジオラマに目を奪われていたその時、岩井代表からあるものが手渡された。

岩井代表:もしよかったら、ちょっと走らせていただけたらなと思いまして。
野川キャスター:いいんですか!?

受け取ったのは、鉄道模型メーカー「KATO」の、マスコンキー付き本格ワンハンドルコントローラー。お値段はなんとおよそ6万円とのこと。
このコントローラーを使って、JR西日本の豪華寝台列車『瑞風』を動かしてみる。

「このワンハンドル、行きますよ。このノッチの刻みがリアル!」

テールライトを鮮やかに光らせ、ゆっくりと『瑞風』が動き出した。“セノハチ”のカーブに差し掛かると、対向の新快速電車と『瑞風』がすれ違う。かなりの見ごたえだ。

セノハチを通過し、『瑞風』が帰ってきた。
野川キャスター:
じゃあ、ちょっとブレーキ操作にかかりましょう。よ!ちょちょちょちょ…

「いやー、ふふふふ。ふふふふ」と、野川キャスターはご満悦の様子だ。
目の前に広がる精巧な景色の中を、自らが操縦する列車が動いていく感動。鉄道ファンには何物にも代えがたいだろう。
2025年は一周年イヤー
安芸山陽模型は2025年1月に一周年を迎える。野川キャスターが、その記念すべき一年をどんな年にしたいか尋ねた。

岩井代表は、「来てくださる方、皆さんが楽しんで頂けるようなお店にしたいと思います。広島で鉄道模型といえば、ココっていうところまで行きたいですね」と意気込みを教えてくれた。
野川キャスターは、ジオラマの魅力とは、「場所も時代設定も自分の思うようにできる」ところだと言う。例えば途中で出てきた500系新幹線、黄色のドクターイエロー。これらはともに、引退が予告されている列車だが、引退すると実車は見られなくなる。そんなときも、ジオラマであれば、好きなときに好きなように楽しめるのだ。
皆さんも好きな車両を持ちより、走らせてみてはいかがだろうか。
(テレビ新広島)