ダウンタウンの松本人志さん(61)が、週刊誌の記事で名誉を傷つけられたとして損害賠償などを求めた訴訟で、週刊文春側への訴えを取り下げた。
なぜ訴訟を取り下げる方針になったのか。
「松本さん側が勝ち目がないと思った」
青井実キャスター:
ーーまずは週刊文春側への訴えを取り下げる方針、橋下さんはどう見ましたか?
スペシャルキャスター・橋下徹氏:
正直言って、松本さん側が勝ち目がないというふうに思ったんだと思います。松本さんとしては性犯罪がなかったということを言いたかったんでしょうけれども、今回は名誉毀損の裁判で、週刊文春の記事全体がどうなのかという話だったんですね、表現の自由で守られるかどうか。そうすると、飲み会の事実であるとか女性たちと遊んだとか、そういうところを全否定まではできないと松本さんは判断したんだと思います。
フジテレビ社会部デスク・知野雄介:
実は松本さん側は、水面下で週刊文春側と裁判を終えるための交渉を数カ月にわたって行っていました。関係者によると、松本さんは「早く仕事がしたい」などと周囲に話していたということです。松本さん側から、週刊文春側に訴えの取り下げを提案していたということなんですね。
7日夜に松本さんが謝罪文の内容に同意
青井実キャスター:
ーー取り下げたということは文春側も同意したということですか?
フジテレビ社会部デスク・知野雄介:
法律上、取り下げには、被告である文春側の同意が必要で、文春側は、女性への謝罪とその公表を条件としていた。松本さん側がその条件はのめないとして、綱引きになっていた。その後、謝罪の方法や公表する謝罪文の文言などをめぐり細かな調整が行われて、松本さんが7日夜、謝罪文の内容に同意したということです。
青井実キャスター:
ーー松本さん側と文春が和解になったということなんですか?
フジテレビ社会部デスク・知野雄介:
互いが譲歩する「和解」ではなく、今回は、訴え自体の「取り下げ」。松本さん側は勝てる見込みがないと考えたか、もしくは裁判を続けることにデメリットが大きいと判断した可能性があります。
遠藤玲子キャスター:
ーーデメリットって、どういうことが考えられますか?
フジテレビ社会部デスク・知野雄介:
裁判は、最高裁まで行けば数年はかかりますから、その間は、拳を振り上げた状態が続いて、仕事に戻りづらいということが考えられます。
「裁判起こす前に謝罪すれば…」
青井実キャスター:
ーー橋下さんは裁判を続けるデメリット、どういうところにあると思いますか?
スペシャルキャスター・橋下徹氏:
この裁判が行われることによって、松本さんが争っているということがずっと続く。それはイメージとしてはマイナスだと思いますね。
事実無根というのであれば、一切何の事実もないということであれば、事実無根で争えばいいんですよ。ただ、この記事に書かれているように、飲み会があったとか、ここは分かりませんが、女性と何らかの関係があったとか、何かしらそういうものがあれば、その事実を認めたうえで、やっぱり気持ちを害した女性に対し謝罪をすると。
今回の結論が、裁判を起こす前の段階でこういう対応をしていれば、きちっと謝罪してということであれば、こんなに裁判が長引くこともなく、仕事の復帰、もしかすると仕事を1回中断することもなかったかもしれないと思うと、すごく残念なんですけどね。
青井実キャスター:
ーー謝罪するということは文春側の報道を認めたということではないですよね?
フジテレビ社会部デスク・知野雄介:
これまでの綱引きの経緯を考えると、「報道をすべて認める」ということではないのかなと思います。
芸能界復帰への道筋は?
青井実キャスター:
ーーもし訴訟が取り下げられた場合、気になるのが、松本さんが芸能界に復帰するのかどうか。もし復帰する場合、会見はあるのか?
木村拓也キャスター:
元週刊文春の中村竜太郎さんに聞いたところ、「会見が必要などという“世間の声”が出てくるだろう」、「時期的に見れば、2025年にちゃんとした場を用意して復帰するのではないか」、「サプライズでM-1の審査員で復帰の可能性も」と指摘しています。
青井実キャスター:
ーー橋下さんは松本さんの芸能界復帰についてどう見ますか?
スペシャルキャスター・橋下徹氏:
謝罪の中で、どこまでの事実を認めるかということですよね。その事実が、消費者、いわゆる一般の人たちが受け入れられるかどうか。松本さんの仕事というのは、背景にスポンサー企業があるわけですから。スポンサー企業は消費者のことを考えています。ですから、松本さんが認める事実が、消費者として受け入れられれば復帰ということになるでしょうし、それが駄目だったらなかなか復帰は難しいということになるでしょう。
青井実キャスター:
ーー会見等が行われるという話はまだ入っていないんですね?
フジテレビ社会部デスク・知野雄介:
今のところ、会見が行われるという情報は入っていません。
8日午後5時過ぎ、吉本興業が松本人志さんのコメントを発表した。
これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました。
松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます。
尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。
この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。
どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします。
(「イット!」11月8日放送より)