2日未明に東京・葛飾区で緊縛強盗事件が発生した。Mr.サンデーは事件直後、容疑者とみられる男に遭遇し、会話まで交わしたという第一発見者を独自取材。また事件前、現場付近で不審な男が訪問してきたという証言が相次いだ。
「入ってます」家の中から若い男の声
歯止めがかからない強盗事件は、2日、東京・葛飾区の住宅でも起きた。
この記事の画像(16枚)警察によると2日未明、複数の男らが窓を割って家に侵入。70代の住人男性に対し「騒ぐな、殺すぞ」と脅すと、目と手を粘着テープでぐるぐる巻きにして、現金を奪って逃走したという。
警察は、現場に残っていた山内裕太容疑者(29)を強盗致傷の現行犯で逮捕した。
Mr.サンデーは事件直後、この山内容疑者とみられる男に遭遇し、会話まで交わしたという第一発見者を独自取材。
“闇バイト”の意外な実態が明らかになった。
2日午前10時すぎ、離れて暮らす被害者の妻から、近所に住む第一発見者に「いつも主人に連絡しているのに、きょうは全く出ないので、様子を見に行ってくれませんか」と連絡が入った。
「家にいる夫の様子を見てきてほしい」と頼まれた女性は、もう1人の近隣住民と2人で被害者宅を訪ねた。
だが、何度呼び鈴を鳴らしても反応がない。仕方なく、玄関まで行きドアをたたくと…。
山内容疑者とみられる男:
「入ってます」
家の中から聞こえてきたのは、若い男の声だった。
「僕は…強盗なんです。強盗に入った人間です」
2人は不審に思い、1人は自宅に戻り警察に通報。女性が1人で待っていると、突然、被害者宅から現れたのは、マスクをした若い男だった。
女性が「あなた、どなた?」と尋ねると、男は「僕は…強盗なんです。強盗に入った人間です」と自ら“強盗犯”だと明かした。
さらに男は「深夜0時に侵入しました。ハンマーで殴りました。まさかこういう仕事とは思わずやってしまいました」「お金がないから、お金欲しさにやりました。指示されたんです…自首するつもりです」と弱々しい声で語ったという。
それを聞いた女性が「あなた、そういうことをしたら一生台無しなんだよ。2度とこういうことはしちゃいけないんだよ」と諭すと、男は小さくうなずいた。
山内容疑者とみられる男:
「僕は見張っているんです。他にも2人いて帰ってくるから、危ないから離れてください」
女性は、男の言う通り、近所の家に避難したという。
駆け付けた警察が発見したのは、縛られた状態の住人男性と、現場に残っていた容疑者の男だった。
現行犯で逮捕された山内容疑者はその後の供述で「SNSで知り合った人から、空き巣に入るよう指示された。家に入ったら住人に見つかったので、殴る蹴るの暴行を加えて、現金などを奪ったことに間違いありません」と話したという。
取材によると、山内容疑者は被害者宅に約10時間もとどまり、室内を物色していたとみられる。
「資産家」「いつも銀行の袋に現金」
またしても起きた、闇バイトによるとみられる緊縛強盗事件。
いったいなぜ、この家が狙われたのか?
近隣の住民によると、実はこの家では「(空き巣が)2回ぐらい入ってると思う。去年も入ったっていうことは聞いた」と以前、2度空き巣被害に遭ったことがあるという。
近隣住民:
やっぱり資産家なんじゃないの。おうちも大きいし。お金がありそうに見えたんじゃないですかね。外車なんか置いてあるしね。外に見えるところに置いてあったりしたから。
被害者の幼なじみ:
(被害者男性は)いつも銀行の袋に現金入れていた。いつも持って歩いていた。20万ぐらいだよ。
犯人グループは、こうした金に関する情報を握っていたのだろうか。
事件前に工事業者装う不審な男
さらに、近隣住民からは「若い20代後半ぐらいの男が、自宅のインターフォンを鳴らして、工事業者を装ったような服装で来まして」という証言もあった。
「Mr. サンデー」では、不審者とみられる画像を入手した。事件との関連は不明だが、事件の2日前、被害者宅付近のマンションに、スマートフォンを手にした不審な男が現れ、「11月中旬に換気口の検査があります」と話したという。
怪しんだ住人は、立ち去った男の後を追いかけたという。すると…。
近隣住民:
私以外の家庭もいくつかランダムに、スマホの画面を見ながらインターホン押しているような感じでしたね。ちらっと覗いた時に、なんかエクセルのような、本当にリストアップみたいにされているものをスクロールしながら見ていて、明らかに怪しいなというのがわかったので。
男はリストアップされたものを見ながら声をかけていたという。
住人は警察に通報したが、男はその後、姿を消したという。
近隣の別の家でも…。
近隣住民:
「何か売れるものはありませんか?」って。いやこれ強盗の人が下調べしてるんだよとかって、冗談で言ってた。2、3日前だよね。
事件直前、周辺に現れた不審な男は、強盗に入る家を物色していたのだろうか…。