27日に行われた自民党総裁選は、決選投票の末に石破茂氏が高市早苗氏を破って勝利し、事実上の次期首相に決定した。石破氏は5度目の挑戦で「背水の陣」で臨み、麻生元首相の支持を得た高市氏や小泉進次郎氏を抑えて勝利した。
石破氏カツカレーで決起「食べるもんじゃなく飲むもんだ」
決選投票にもつれ込んだ自民党総裁選で、高市早苗氏との一騎打ちを制したのは石破茂氏だった。

これが最後の挑戦と話し、5回目の総裁選に背水の陣で臨んだ石破氏。序盤の下馬評では、圧倒的有利と言われた小泉進次郎氏や、直前に麻生元首相の「後ろ盾」を得て、猛烈な追い上げを見せた高市氏を打ち負かし、勝利した。
決戦の朝、陣営の集会で手にしていたのは「必勝パン」だった。さらに昼食のメニューに選んだのは、ゲン担ぎの定番で大好物のカツカレーだ。
石破茂新総裁は、「カレーは食べるもんじゃなくて、飲むもんだ」と話していた。

一方、スタート当初はトップに立つ勢いだった小泉氏だが、その勢いは徐々に弱まり、決起集会での言葉に勝利への自信は伺えなかった。
小泉進次郎元環境相は、「ギリギリしがみついているこの状況から、這い上がって、頂上を目指して…」と訴えていた。

そして午後1時、1回目の投票がスタート。結果は、高市氏が181票(議員72票、党員票109票)、石破氏が154票(議員票108票、党員票46票)で、決選投票へ進んだ。
「有力候補」だった小泉氏は、136票で3位となり、悔しさからか、目には涙が浮かんでいた。
運命の決選投票では、麻生氏の支持を取り付けていた高市氏が優位に立つとも見られていたが、結果は違っていた。
議員票は高市早苗氏が173票、石破茂氏が189票と、不利とみられていた議員票でも石破氏が上回り、最後の挑戦で新総裁に選出された。事実上の次期首相を決める自民党総裁選は、石破氏の勝利で終わった。
小泉氏「敗因は自分にある」
43歳での「史上最年少総理」就任を逃した小泉氏は、敗戦の弁を次のように語った。

小泉進次郎元環境相:
選挙・政治というのはタラレバを言ったらキリがない。結果がすべて。その結果において、私が足りないことはあったことは事実。しかし、チームは最高でしたね。
「敗因は自分にある」とも話し、「よくそこは自分でも振り返り、この糧を次の一つ一つに生かしていきたいと思います。新総裁をしっかりと支えていきたいと思います」と、石破新総裁を支持する考えを示した。
そして、次の総裁選に再びチャレンジするかについては、「『1回目ダメだったから次がある』とかそういった思いではなくて、目の前のことを全力でやる、その結果を受け止めて、また、次に向かって進んでいく。今から次に向けて、言及することは控えたいと思います」と述べるに留めた。

一方、1回目の投票でトップだった高市氏は、決選投票でまさかの大逆転負けを喫し、初の女性首相の座を逃した。
高市早苗経済安保相は、「私の敗北は私自身の力不足でございます。多くの方に助けていただきながら、申し訳ないことだったと思っております」と語った。
さらに、「前回の総裁選の強い後ろ盾となった安倍元首相の墓前に報告に行くか」という質問には、言葉を詰まらせて「きょうが安倍元首相の国葬から2年目の日でございます。まず良いご報告ができなかったことを申し訳なく思っております」と語った。
史上最多となる9人が立候補した自民党総裁選で勝利した石破氏は、10月1日の臨時国会で、第102代の総理大臣に選出される見通しだ。
(「イット!」 9月27日放送より)