2023年9月26日に新潟県魚沼市の商店街で13棟を焼いた大規模火災から1年…復興に向けて歩みを進める人、いまだ全焼した建物の再建が進んでいない人など被災者の歩みは様々だ。火災から1年となった商店街の現状を取材した。
3週間で営業再開した菓子店にも火災の爪痕…
2023年9月26日、新潟県魚沼市の南本町商店街で13棟を焼いた大規模な火災。

焼けた建物のうち5棟は商店街の店舗で、現在営業を再開できているのは2店舗のみだ。若井菓子餅店は、幸い1階の店舗部分の被害は免れたため、火災から3週間で営業を再開した。

この日、店を訪れていた客は「街にいなくてはいけない店だと思うので、復興できて私たちもうれしく思っている」と話した。
9月22日には、復興への感謝を伝えようと行われた商店街のイベントで和菓子を販売した若井菓子餅店。店主の若井文康さんは「2回くらい追加で焼いたりして。とても売れたので、いっぱい作った」と笑顔を見せた。

しかし、火災の爪痕は今もなお残っている。
2階は焼け焦げ、1階とは全く違う景色が広がっていた。今後は3階を取り壊し、2階を居住スペースにリフォームするという。

若井さんは「燃えた直後は瓦礫だったのでがっかりしたが、これがきれいになる。懐かしい家は思い出に。新しくできるので、全然悲しくはない」と前を向く。
店舗再建へようやく工事開始「戻れるのがうれしい」
一方で、再建が思うように進んでいない被災者も。
安藤ミイ子さんは、商店街で理容室を営んでいたが、火災で店舗が全焼。

現在は仮の店舗を借りながら理容室を続けていて、再建に向けた工事が24日にようやく始まった。安藤さんは「うれしいかぎり。町内に戻りたいというのが一番だったから」と話す。

ただ、地盤調査や建物の設計に時間がかかり、工事の着工までに1年の時間を要したため、完成は2025年1月の見込みとなっている。
そして、安藤さんが被災後、無償で借りている市営住宅は10月から家賃が発生することに…安藤さんは「借りている仮店舗と市営のアパート、両方家賃が必要だからダブルできついなと思っている」と嘆いた。

それでも「早く家ができて皆さんが近所から遊びに来てもらえたらそれが一番」と顔をあげた。
火災からの復興に向けては、魚沼市からの補助金やクラウドファンディングによる寄付金があったことで、予定より早く再建が進んだ店舗もあったという。
支援した人たちの気持ちはしっかりと被災者に届き、力になっている。
(NST新潟総合テレビ)