山口・下関市の前田晋太郎市長(48)の被爆地を揶揄するかのような発言をめぐり、波紋が広がっている。

被爆者団体の理事長は怒りをあらわに

問題の発言が飛び出したのは、2025年に開催される「大阪・関西万博」に向け、西日本の自治体が、外国人観光客を呼び込む策についての答弁。

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下関市・前田晋太郎市長(48):
京都・大阪・東京行ったら帰ろうとしてるから、それをこっち側(西日本)に呼び寄せようということだが、私が提唱したのは複数の町で“ストーリー”を作っていきましょうと。

観光地を巡る“ストーリー”を作ることで、外国人観光客を誘致しやすくなるという前田市長。
西日本や九州に「ゴールデンルート」、つまり“王道の観光ルート”を作る会のメンバーだ。

答弁は、次のように続いた。

下関市・前田晋太郎市長(48):
例えば広島の原爆ドームに来たいと思っている海外の方が、この西の(ゴールデンルート)アライアンスの発信ルートを使えば、長崎にも実は(資料館が)当然あることを理解し、そして二つを回った後に四国でお遍路回って、“お悔やみトリップ”ではないけれども。

…と、被爆地などを周遊するツアーを“お悔やみトリップ”と表現した前田市長。

この発言に対し、広島県の被爆者団体の理事長を務める箕牧さんは。

広島県 被爆者団体協議会 箕牧智之理事長:
どういう気持ちからそういう言葉が出たのか。下関のトップとしてね。我々被爆者は非常に怒っとるという気持ちになったんですよ。

…と、語気を強め、憤りを露わにした。

さらに、前田市長が実は長崎大学の出身で、被爆地にゆかりがありながらも、配慮に欠ける発言をしたことについては。

広島県 被爆者団体協議会 箕牧智之理事長:
被爆地長崎で大学を卒業して、核兵器原爆のことはね、よくご存じだろうと思いました。
広島に来られて慰霊碑に頭を下げて原爆資料館を見て、そしてその感想を広島の被爆者に話をしていただきたい。それほど私たちは怒っております。

前田市長は25日、「関係者の皆様を傷つけ、深く反省している」と陳謝した。
26日にFNNが改めて取材を依頼したところ、「公務の都合で時間がとれない。本日の取材は遠慮させていただきたい」と回答した。
(「イット!」 9月26日放送より)