パンク、バッテリー上がり、インロック、夏も多い車トラブル。さまざまな車のトラブルに対応する、JAF・日本自動車連盟のロードサービスの一日に密着、夏場のトラブルの傾向と注意点を取材した。
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冬に続き、ベテラン班長に密着
長野市大豆島にあるJAF長野基地。
タブレットでコールセンターから転送された出動依頼を受ける小宮一樹さん(50)。この道29年のベテランだ。
実は2024年1月にもスリップや脱輪などの冬のトラブルへの対応を密着取材させてもらった。
出動が増える夏の行楽シーズン。どのようなトラブルが多いのか。
JAF長野基地の班長・小宮一樹さん:
「何か突起物にタイヤを当ててしまってパンクしてしまったというケース。最近、多いのが道路の陥没。ちょっとした水たまりに見えても、実は大きな穴だったり、そこにはまってパンクしてしまったという依頼が多い」

最初の依頼は?
7月20日、午前10時ごろ、向かったのは坂城町。白い乗用車が路肩に停車していた。
依頼主は20代の男性。友人と新潟へ釣りに行く途中、左の前輪がパンクしてしまったという。
男性(20代):
「普通に道路を走っていたんですけど、段差みたいなのを乗り越えたらそのままパンクしちゃって」
JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「(タイヤの)摩耗がかなり激しくて、恐らくエアーが漏れてしまったかと思う」

スペアタイヤはなく、タイヤがホイールから外れていて、応急処置も難しいため、近くのカー用品店までレッカー移動することに。
作業を始めると、すぐに汗びっしょり―。

男性(20代):
「困っていたので、すぐ来てくれるというのは本当に感謝しかないなという感じ」
4本とも摩耗しており店で全て交換することになった。

次もパンクで依頼
午後2時半前、次の現場もパンクの出動依頼だった。場所は須坂市にあるレストランの駐車場。
駐車場に入る際、縁石に乗り上げ、左の前輪がパンクしてしまったという。

依頼した女性:
「乗り上げた時にバンッと音がしたので、おかしいなと思ってみたら穴が開いて、こんなことでタイヤってこんなふうになるんだというのが正直な感想です」
タイヤが裂けていて、こちらも応急処置が難しく、レッカー移動をすることに。
依頼した女性:
「一瞬の油断じゃないですけど『これくらいで行けるかな』と思って曲がったら、縁石に乗り上げたという感じだったので、周りをよく見て気を付けていきたいなと」
近くのディーラーまで牽引し、タイヤを交換することになった。

夏はタイヤのトラブルが多くなる
JAFによると、2023年の7月と8月、出動が多かったトラブルは、3位がタイヤが道路から外れ、動けなくなる「落輪・落込」。そして2位は、パンクやエアー不足などの「タイヤ関係のトラブル」だった。

この日も2件。夏場は路面の温度が上昇しタイヤの劣化が進む。またタイヤ内の空気が暖められて膨張。空気圧が適正値よりも高くなると、段差などで傷つきやすくなり、パンクやバーストにつながる恐れが高くなるという。

次は鍵のトラブル…
午後4時半前、続いて向かったのは、長野市松代町。
依頼主は50代の男性作業員。住宅の天井裏で作業をしていたところ車の鍵をなくしてしまった。
JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「鍵穴から見させてください」

スペアキーは車の中。鍵穴から直接、専用の道具を使って開けることにした。
JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「これ、時間かかるかもしれない」
スコープで鍵穴をのぞきながら作業をすること、約5分。

JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「OK。よし、OK。お待たせしました。良かった、開いて、早めにこの鍵をもとに合い鍵を作ってください」
男性作業員(50代):
「焦りました。帰れないかと思いました。とても作業早くて助かりました」
鍵には音がするキーホルダーなどを付けておくとよいという。

夏の鍵トラブルには特に注意を
一方、夏場の鍵トラブルは一大事になりかねない。
7月、岡谷市では鍵を車内に残したまま、ロックがかかってしまい乳幼児が閉じ込められる事故が発生。2人は熱中症の症状で救急搬送された。
JAFも鍵は必ず携帯するよう呼びかけている。

夏場最も多いのは「バッテリー上がり」
さて、夏場の出動で最も多いのは、「バッテリー上がり」。ライトの点けっ放しやバッテリーそのものの劣化が原因だ。

この日、小宮さんが最後に対応したのも「バッテリー上がり」だった。
依頼したのは、80代の夫婦。トランクが閉まり切っていなかったようで、トランク内のライトが点灯したままに。
JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「長い時間(トランク)開けっ放しですと、電気流れっぱなしになりますので」

買い物を終えて帰ろうとしたところ、エンジンがかからなくなってしまった。
ジャンプスターターという機械でバッテリーに電気を供給する。
無事、エンジンがかかった。
JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「今6時半なので7時半ぐらいまではエンジンかけっ放しにしてもらって。ディーラーさんに見てもらったときに充電するのがベスト」

エアコン使用で上がりやすくなる
気温の高くなる夏は、冬と同様エアコンの使用頻度が高くなる。早く涼しくなろうと風量も強めにすると、電気の使用量も増えバッテリー上がりを起こしやすくなるという。
また、運転しない時間が長かったり、走行距離が短ったりするとバッテリー上がりを起こしやすくなるため、1週間から2週間に一度は30分ほどエンジンをかけた方がよいという。

トラブル防止に「定期的に点検を」
夏場も多い車のトラブル。暑さによる疲労や集中力の低下で事故も起きやすくなるため、小宮さんは「余裕を持った出発」「適度な休憩」そして「事前の点検」が大事だと話している。
JAF長野基地 班長・小宮一樹さん:
「日頃からタイヤ溝の状態、ヒビ、バッテリーも点検をしっかり行うということでトラブルは防げる。大事な命を乗せている車両になりますので、しっかりと定期的に点検を行う。何かチェックするということは大事」

(長野放送)