5日の日本列島は、まだ梅雨明け前だというのに、“猛暑”を通り越して、もはや“酷暑”に見舞われた。
“ハンディー扇風機”や日傘、かき氷を食べるなどで暑さをしのぐ人も多い中、環境省が推奨する「アイススラリー」と呼ばれる飲料にも注目が集まっている。
通勤・通学…街ゆく人の体力奪う酷暑
午前中から30℃を超えた、鳥取市の白兎海岸。
コロナ禍を経て、実に5年ぶりという海開きが5日行われた。
真っ青な空と海、そして太陽に照らされた砂浜を、装束に身を包んだ神主さんが歩いていく。

「暑い夏というのを期待しておりまして、まずは天候、天候第一に、あとは安全」と関係者は話していた。
“サーフィンのメッカ”として知られる千葉県の九十九里浜には、平日の午前中から海水浴客の姿が目についた。

親子で海水浴に訪れた父親は、「海は最高に気持ちいいですね。ちょうど暑いし。(子どもは)もうはしゃぎっぱなしですね、元気もりもりで」と笑顔だった。
海遊びには最高の天気だが、通勤・通学などで街ゆく人にとっては、体力だけが奪われていく。
5日の最高気温が37.9℃を記録した兵庫・豊岡市で人々の声から漏れるのは、「ほんと、あついわぁー」、「(暑さは)朝から最高!(日差しは)もう来ないでほしい」といった声だった。

一方、手にハンディー扇風機を手にした学生2人は「扇風機だけじゃ足りないです」、「やばいやばい」と話していた。
“扇風機だけでは足りない”の声はあるが、それでも、強い日差しに見舞われた甲府、最高気温36.0℃の前橋、人々やビル群が密集する東京・新宿でも、見れば多くの人が、暑さ対策に“ハンディー扇風機”を手にしている様子がわかる。

では、ほかにはどのような方法で、暑さ対策や熱中症対策を行っているのだろうか。
最高気温37.7℃を記録した岐阜・大垣市でベビーカーに子どもを乗せた母親に話を聞いてみると、「(子どもの)背中に保冷剤を入れて、この子は冷やしてますね」と話していた。
また別の女性は「水分を多めにとるようにしています。1時間で500mLくらいは飲むようにしています」と熱中症対策をしていた。
一方、御年90を超えるという自転車に乗った男性は、暑さ対策を「特にないですね。汗ふきのタオルぐらいのもんだ」と悠然としていた。

では、人が集まる観光地などの熱中症対策はどうなっているのか。
関東屈指の「あじさいの名所」であり、さらに2万個のボールを浮かべた“水遊びのできる池”で夏の時期の来客を見込む、東京・府中市の『府中市郷土の森博物館』では、水辺の近くの地面の温度を測ると、58℃を超えていた。

日陰にテントを張って休んでいた女性は、「暑いので水で遊ばせようと思って。私は暑くなってしまったので、(テントで)休憩していました。日陰でテント張るだけでだいぶ違いますね」と話す。
施設側は、館内の放送で水分補給をするよう、随時放送を行うなど、注意を呼びかけているという。

長野・須坂市では「熱中症になる前に、意識的に水分をとったり、体を冷やしてほしい」という思いから、地元の商店会が粋な計らいを行っていた。
予想最高気温が33℃以上の場合に、かき氷が半額になる取り組みを行っているという。
では、自宅などで私たちができる身近な熱中症対策は、どのようなものが考えられるのか。
冷却効果高い飲料「アイススラリー」
最近耳にするのが、「アイススラリー」と呼ばれる飲料。
細かい氷と液体が混じり合った飲料で、冷却効果が高いとされる。

そのアイススラリー、どのように作ることができるのだろうか。
必要なのは、凍らせたスポーツ飲料と凍らせていないスポーツ飲料。
凍らせたもの3、凍らせていないもの2の割合でミキサーにかければ完成する。

このアイススラリー、通常の水や氷より体の内部を効率よく冷やし、発汗量も抑えられるとのことで、環境省が推奨している。
(「イット!」7月5日放送より)