AIが“密”を判断

東京・千代田区にあるレストラン。ここでは、新型コロナウイルスの影響で客席の数を減らして営業している。

半蔵門ビストロ Brain Storming・近藤貴史店長:
カウンターは1個飛ばしで案内していて、8席あるがどうしても4席で埋まるので、テーブルにお1人さまも案内しています。

半蔵門ビストロ Brain Storming・近藤貴史店長

withコロナの社会で浮上する飲食店の席問題。これに対応した新たなサービスが誕生した。

ベンチャー企業の「VACAN」が開発した空席情報の配信サービス。

「VACAN」が開発した空席情報の配信サービス

店内に設置したカメラが取得した映像をAIが解析し、サイト上で空席情報を配信するというものだ。

人同士が近づくと表示が赤色に

しかし、ただの空席検知サービスではない。

映像では、座席には男性1人しか座っていない。

席はまだ空いているように見えるが、スマートフォンには「残席わずか」と表示されている。

株式会社バカン・河野剛進代表取締役:
テーブルを1つのグループとして見てあげて、誰か1人でもいた場合は「残席わずか」とAIが解析して判定している。

株式会社バカン・河野剛進代表取締役

ただ単に人を検知するだけでなく、ソーシャルディスタンスを考慮した空席情報を配信しているのだ。

また、客同士をつないでいる線の上には、距離を表す数字が表示される。人同士が近づくと、緑色の数字が赤色に変わった。

客同士の距離が近すぎると表示が赤色に変化

株式会社バカン・河野剛進代表取締役:
こういうものを検知して、例えば管理者の方にお伝えしたり、場合に寄ってはお客さまの方に「近づきすぎだよ」と流すことも可能です。

手動で混雑具合を配信するサービスも

このサービスはカメラの設置に費用がかかることから、「VACAN」は、飲食店への費用負担がかからないよう、混雑具合を手動で3段階に切り替え、配信するサービスも始めた。

飲食店を支援するため、10月末まで無償で提供するという。

混雑具合を手動で切り替えて配信

株式会社バカン・河野剛進代表取締役:
これまでは“行列を作ることがステータス”みたいなところもあったと思うんですけど、逆になってくると思っています。

むしろそういうところだと足を運ぶのをためらったりすることもあるし、コロナが終わったあとも感染症のリスクというのはあるので、利便性の高い状態でお客さまにも喜んでもらいながら、導入側も安心できる情報を発信していくというところで、使い続けてもらえると思う。

株式会社バカン・河野剛進代表取締役

空港の手荷物検査場やバス停での活用も

三田友梨佳キャスター:
テクノロジーの活用に詳しい、IoTNEWS代表の小泉耕二さんに聞きます。空席情報サービスをどうご覧になりますか?

IoT・AIの専門メディア IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
通常、何かを満たしたいという欲求に対してビジネスを立ち上げるものだと思いますが、この会社は、「空いてる」という状態に着目したことが面白いと思います。実は、トイレのIoTというテーマではかなり先駆けのような会社でして、トイレの空室状態の管理は空港、オフィス、店舗などで実際に見られた方も多いのではないかと思います。

そんな中、ほかにもいろいろな展開が考えられまして、例えば、空港の手荷物検査場は結構混雑する場所だと思うのでこうしたところだったり、バス停も混んでいるところ、空いているところがあるので、こういったところを認識できる形が考えられます。

三田友梨佳キャスター:
こうしたサービスがさらに成長していくためには、どんな課題があるのでしょうか?

IoT・AIの専門メディア IoTNEWS代表・小泉耕二氏:
カメラを設置するためには、まず設置工事をきちんとしなくてはいけません。その時に天井にカメラを取り付けるとなると、電気が通っているかとか、ネットワークが通っているかなど様々なことを考えなくてはいけないということがあります。

カメラはどんどん安くなってきているので導入の敷居は低くなってきていますが、実際に全国に設置していこうと思うと、設置ノウハウを持った技術者がもっと必要で、実現には現場の力が必要になります。

三田友梨佳キャスター:
これまで飲食店は、混んでいることが人気のお店の1つの証でもありましたが、空いていることが価値となった今、リアルタイムでそうした状況を解析し、可視化できるということは大きな魅力に感じます。

こうしたテクノロジーをうまく活用しながら、私たち1人1人が3密を回避する行動を実際にとって、感染対策を徹底していきたいと思います。

(「Live News α」8月5日放送分)