23年前、大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童殺傷事件の遺族が、取材に関する被害者や遺族の権利をまとめたリーフレットを作成した。

https://youtu.be/KkBzmSRBrIs

■事件の教訓を生かすため…毎年行われている訓練

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28日、附属池田小学校で行われた警察官と教職員による訓練。刃物を持った不審者をさすまたで制圧する手順などが確認された。事件の教訓を生かすため毎年欠かさず行われている。

2001年6月8日、校内に刃物を持った男が侵入し、児童8人が死亡、15人が重軽傷を負った事件。

国は学校の安全管理の問題を認めて対策についてマニュアル作成などを進めたが、その背景にはメディアなどを通じて訴えを続ける遺族の活動があった。

長女・麻希さん(当時7)を亡くした酒井夫妻も訴えてきた。

■遺族が「報道取材」に関するリーフレット作成

酒井肇さん:事件後、名札をつけていない学校関係者はいないほど、保護者も全員つけている(中略)メディアを通じて悲しい教訓ですが、世に広まることで社会の受け止め方が変わってきた

2人は事件直後、加熱した取材いわゆるメディアスクラムで傷つけられ、その軽減を目指して記者と勉強会などを実施した。

そして、事件から23年を迎えるなか、全国で初となる取り組みも始めた。犯罪に遭った直後の被害者や遺族に向けて、メディア取材に関する権利や方法をまとめたリーフレットを、大阪の被害者支援団体と作成した。

 

取材を受けるかどうかは被害者の自由で、嫌な気持ちになる質問を拒否できるなどの権利について書かれた一方で、取材を受けることで、被害者の思いや要望を社会に届けられるといったメリットについても書かれている。

酒井智恵さん:被害者がメディアのことを知る機会がありませんでした。(中略)メディアスクラムに遭って嫌な思いをし、二度と家にも来ないでほしいし、チャイムも鳴らして欲しくないし、山のような手紙も投函してほしくなかった。23年前に誰かが(メディアについて)教えてくれたら良かったのに、その思いがリーフレットに込められている

酒井肇さん:ちょっと落ち着かれたときに、何か言いたい、世間にメッセージを発信したい、その時にこのリーフレットが手元にあればと、そういう場面を想像しています

リーフレットは支援団体を通じて、被害者や遺族に配布される。

(関西テレビ「newsランナー」5月28日放送)

(関西テレビ「newsランナー」5月28日放送)