今回紹介する「姫島モデル」。
大分県姫島村で行われている電気自動車を動かす電力を、太陽光発電で生み出す環境に優しい取り組みだ。
この「姫島モデル」が今、世界へと広がろうとしている。

島の移動手段に電気自動車活用

大分県姫島村
大分県姫島村
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大分県の北東部、周防灘に浮かぶ姫島。
観光客にとっては移動手段が限られるこの島では、電気自動車が活用されている。
姫島では2015年から電気自動車のレンタカー事業が実施中だ。

姫島を走る電気自動車のレンタカー
姫島を走る電気自動車のレンタカー

二酸化炭素を出さない「姫島モデル」

アメリカのニューヨークから訪れていたという観光客は、この電気自動車について「車も本当にもう景色を楽しむには最高の。速度も何もかもパーフェクトでした」と興奮気味に語った。
この取り組みを行っているのは、中津市の企業・T-PLANだ。

この電気自動車についてT-PLAN 寺下満社長は
「連続4台、同時充電ができる充電器になっている」と話す。

車庫に備えられた太陽光発電で電気自動車の動力を生み出している
車庫に備えられた太陽光発電で電気自動車の動力を生み出している

事務所の裏にある車庫には、太陽光発電設備と電気を蓄えて充電もできる設備が備えられていて、自動車を動かす電力は二酸化炭素を出さずに確保できるという。
エネルギーの地産地消を実現した「姫島モデル」と呼ばれるこの取り組み。
生み出した寺下満社長は実は島の出身者。

「二酸化炭素を出さない観光交通として、姫島の環境を守りながら観光を楽しむという特徴がある」(T-PLAN・寺下満社長)

パラオ大統領も試乗「ベリーナイス」

この日は津久見市の保戸島の住民や関係者が視察に訪れていた。
離島において高齢者の移動手段を確保するのは共通した課題となっている。
T‐PLANによると、すでに長崎県では、姫島モデルを導入している地域もあるという。
このように、環境に優しい「姫島モデル」は、県内外の島から注目されていますが、実は海外からも関心が…
その場所は姫島から南におよそ3000キロ離れた太平洋の島国・パラオである。

2023年4月には、現地で試乗会が行われたという。

乗り心地を確かめていたのは、なんとパラオの大統領。5年前に駐日大使が姫島を視察したことをきっかけに今では現地政府も関心を示している。
「ベリーナイス。サイレント」と話すのは、ウィップス大統領である。

試乗して笑顔を見せるパラオのウィップス大統領
試乗して笑顔を見せるパラオのウィップス大統領

「姫島モデル」を世界へ JICAも支援して実証実験へ

ことし秋には国際協力機構・JICAが支援し、実証実験が行われる予定。

JICAパラオ事務所加藤洋介・企画調査員は「パラオは環境にとても力を入れている国なので環境を維持し、経済、社会発展を目指しているところがあって、そういった点が非常に今回のT-PLAN社の提案と合致した」と述べた。

T-PLAN・寺下満社長は今後について
「非常に同じような課題を抱えている島々がありますので、この姫島モデルは、世界各国に広げていきたいと思っている」と話す。

環境に優しい「姫島モデル」。大分から世界に広がるか。

姫島村出身のT-PLAN・寺島満社長。姫島モデルを世界に広げたいと話す

(テレビ大分)

テレビ大分
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