全国の書店員が選ぶ「絵本屋さん大賞」で、高知市在住の作家・柴田ケイコさんの人気作が1位に輝いた。キャラクターに込めた柴田さんの思いとは?

大賞受賞に「本当に驚きました」

絵本の主人公はパンが大好きな泥棒、その名も“パンどろぼう”。パンにかぶりついたり、顔をしかめたり表情豊かだ。

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高知市在住の絵本作家・柴田ケイコさんが手がける「パンどろぼう」シリーズは、累計270万部を突破している。

第5弾となる「パンどろぼうとほっかほっカー」は、全国の書店員3,000人が今年読んでほしい本を選ぶ「MOE絵本屋さん大賞2023」で1位を受賞し、2024年1月に東京で表彰式が行われた。

編集者からの電話で吉報が届いた時、柴田さんは高知市のアトリエで絵を描いていたという。

絵本作家・柴田ケイコさん:
驚きました。本当に驚きました。多くの人が「パンどろぼう」を愛してくれているっていう気持ちが伝わって、すごくうれしかったです。

登場人物になりきり描画

色鉛筆やクレヨン、絵の具を使い分け、優しく温かい世界観をつくる柴田さんは、看板ネコ“ろく君”が見守る中、多い日は1日8時間、筆を走らせるという。

絵本作家・柴田ケイコさん:
自分もそのキャラクターの表情になったりして、登場人物になりきって描いていることが多いです。ガーンって顔の時はガーンっていう顔で塗っていたと思います。

「パンどろぼうとほっかほっカー」は、ヤギのおばあさんに「孫にパンを届けてほしい」と頼まれ、パンどろぼうが奮闘する話。

柴田さんは、パンどろぼうが遠くまでパンを運べるよう、初めて車の絵に挑戦。自動車修理工場で仕組みを教わった。

絵本作家・柴田ケイコさん:
パンどろぼうは自分自身みたいな感じですね。ドジ踏んだりするんですが、自分もそうだなと思って。何かを大事にね。それに対して前向きに生きている姿っていうのは、私もすごく好きなので。

妄想から生まれたもう一つの作品も受賞

実は、今回の「絵本屋さん大賞」ではもう一つ、柴田さんの作品「パンダのおさじとフライパンダ」が3位に選ばれた。主人公・おさじは、絵本の制作に行き詰まった時の“手のひらサイズのパンダが励ましてくれたら”という妄想から生まれた。

キャラクターに託す思いは――

絵本作家・柴田ケイコさん:
キャラクターが自分の友達であってもいいですし、“推し”というか、これを見ていると癒されるというか、心のよりどころになってくれるキャラクターと思っていただけたら。

「パンどろぼう」は、好きなパンを食べている時にひらめいたという柴田さんは、「今後も年齢を問わず、読んだ人がわくわくする作品を作り続けたい」と話していた。

2024年4月には「パンダのおさじとフライパンダ」の新作が発売予定だ。

(高知さんさんテレビ)

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