自民党は11日、派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受けて新たに設置した「政治刷新本部」の初会合を開いた。この中で岸田首相は「政治は国民のためにあるんだという自由民主党の立党の精神に立ち返って、忌憚のないご意見をいただきたい。国民の信頼を回復するために、そして日本の民主主義を守るためには、自民党自ら変わらなければならない」と述べた。

会議終了後、最高顧問を務める菅前首相は会議の中で派閥解消が必要だとの意見を述べたことを明らかにした。菅氏は記者団に対し「今回こういう事件が発生する中で、自民党として何をどうして対応していくかということを明確に打ち出すべきで、非常にわかりやすいのが派閥の解消だ。スタートラインとしてそうしたことを進めていく必要があるという趣旨の話はした」と語った。さらに「もう派閥という言うだけで自民党を見放す人もいる。国民に開かれた政党としてこれからも責任を持っていくため、(派閥の)解消は必要で、乗り越えるべきだと思っている」と述べた。

また、小泉進次郎元環境相も会議の中で、「刷新の名に値する結論を総理総裁のもとで導いてもらいたい。総裁も派閥という言葉を使わずに政策集団という言葉を使っていた。茂木幹事長も派閥という言葉に加え、政策研究団体という言葉を使っていた。派閥という言葉を使うことがはばかられることがあるなら、今回は派閥はやめるべきだ」と主張したと明らかにした。

小泉氏はさらに「派閥のお金と人事、これがなければ政策集団と言える。お金と人事の問題を派閥からしっかり切り離して政策集団だと胸を張って言える環境を整えることは、自民党の立て直しに最低限必要なことではないか」と語り、派閥の政治資金パーティーを禁止し、派閥からの政務三役への推薦リスト提出をやめるべきだとの考えを示した。

政治刷新本部は、岸田首相が政治資金問題の再発防止と国民からの信頼回復を目指して設置したもので、政治資金パーティーの透明化や、派閥に関するルール作りなどを議論する。具体的には、パーティー券の購入上限額や購入者名を公開する基準額の引き下げ、政治資金規正法違反の罰則強化、派閥による政治資金と人事への関与の見直しなどが議題となる見通しだ。

政治刷新本部の本部長は岸田首相、本部長代行は茂木幹事長が務め、麻生副総裁と菅前首相が最高顧問に就任。本部長代理には森山総務会長や渡海政調会長、小渕選対委員長ら党執行部が就き、実務を取り仕切る幹事長は岸田首相最側近の木原幹事長代理が務める。その下の幹事には、小泉元環境相、三原じゅん子氏、松川るい氏ら、党青年局長や女性局長の経験者らが起用された。

1月中に中間的な取りまとめを行う方針だが、派閥解消の必要性を訴える菅氏らと、派閥の維持を前提に改革を検討する麻生氏らの間で、議論が難航する可能性が指摘されている。

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