東京・品川区にある「NTT東日本関東病院」で、出産を控えた妊婦、約100人が転院を余儀なくされていることが分かりました。

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その原因は、急病や産休などで産科医の人数が、通常の8人から4人へと半減。夜間や休日の対応が困難になったことだといいます。

別の病院で来年2月に第1子を出産予定の女性は、「転院」は妊婦にとってかなり大きな負担になると話します。

別の病院で来年2月に出産を控える女性:
まさか都内で起こるとは思ってなくて、それが一番本当に衝撃でした。
いろんな条件のもとで、割と早い段階で出産する病院を決めるので、いきなり後期になって「じゃ、違う病院で」と言われても、多分受け入れてもらえるところに行くしかない。それってすごく怖いし、何かしらの我慢をしなきゃいけない。
新しく赤ちゃんを迎えるいろんな準備ができる、落ち着いてできるだろうっていう時期に、もう1回それ(入院)をやり直さなきゃならないっていうのは、結構なハードモードですね。

NTT東日本関東病院は、転院先の調整や分娩費用の差額を負担するなどしており、「安心・安全に分娩されるように最大限努力している」とコメント。

転院する約100人のうち半分ほどは既に転院先が決まっているといい、来年度までには産科医の人員を確保し、通常の医療体制に戻したいとしています。

深刻な“産科医不足” 「働き方改革」も今後影響か

全国各地で起きているといわれている“産科医不足”。来年度には、さらに人員の確保が難しくなる可能性が浮上しています。

それは、来年4月にスタートする「医師の働き方改革」が関係しているといいます。

「医師の働き方改革」では、過酷な勤務状況を改善するため、病院などに勤務する医師の時間外労働が原則、年間960時間に制限されます。

産科医の過酷な労働環境が改善されることが期待される一方で、今後ますます「労働力不足」が深刻化するおそれも…。

産婦人科医である宋美玄氏も「明らかに労働力が不足してくる」と指摘。その上で、産科医不足を解消するには、以下のような事柄が必要だと話します。

産婦人科医 宋美玄氏:
地域ごとに出産施設を集約し、複数のドクターで対応する体制づくりが必要です。
(「めざまし8」12月22日放送)