高価なカズノコの代用品としても重宝されてきた干物「ノウサバ」。原料は日本各地の沿岸に生息するホシザメだが、暖冬の影響である異変が起きている。一方、海水温が高い影響などでブリの水揚げが増加しているようだ。
「ノウサバ」に起きた異変
福岡・宗像市の鐘崎漁港で風に吹かれてゆらゆらと揺れていたのは、普段は見慣れない干物。
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宗像市の鐘崎地区で「ノウサバ」と呼ばれている。
ノウサバは日本各地の沿岸に生息するホシザメのことで、サバと名付けられてはいるが、サバではなくサメの干物。
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鐘崎地区で古くから正月の珍味として親しまれ、コリコリした食感から高価なカズノコの代用品としても重宝されてきたという。
そんな知る人ぞ知る珍味のノウサバだが、季節外れの暖かさの影響でいま、ある異変が起きている。
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「橋元商店」橋元謙治店主:
なるべく寒い方が、短期間で「ぎゅっ」と締まって乾くので、その方が、味が良くなる
ノウサバは、寒い時期に玄界灘(げんかいなだ)から吹く北風にさらし、短期間でぎゅっと身を乾燥させるとうま味が増すといわれている。しかし、この冬は、それができないというのだ。
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「橋元商店」橋元謙治店主:
干す日にちは早かったら1週間。このサイズだと、きょうで10日、11日で「ぎりぎり乾いたかな」という感じだが、早ければ1週間。(暖かいと長めに干す?)そうです
さらにノウサバの原料となるホシザメが不漁となっている。
「橋元商店」橋元謙治店主:
例年だと、年内にだいたい300~400くらいうちで作っています。(この冬は300いきそう?)いやー、ちょっと難しいでしょうね
この日、干されていたのは例年の半分にも満たないわずか60本ほど。年末の予約受付を今後、断る可能性もあるという。
ブリ「今年はいいのが入った」
一方、温暖な気候でプラスの影響を受けている正月の食材もある。新鮮な海の幸が人気の「道の駅むなかた」では、早くも正月に欠かせないブリの予約受付が100本限定で始まっていた。
「道の駅むなかた」伊藤美幸さん:
11月20日から予約を出してまして、ほぼほぼ完売。順調。よく漁師さんたちが「今年はいいのが入った」と言っている
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宗像市の鐘崎漁港では、年末年始に販売するブリ、約300本をいけすのなかで、すでに確保している。海水温が高い影響などでいまの時期、玄界灘がブリの好む水温のため、水揚げが増加。サイズも前年に比べ、一回りほど大きいという。
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漁師・八尋栄治さん:
(これは何kg?)5kgあるかないかやね。大きいほうやろうね。いけすのなかには7kg台も泳ぎよる
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玄界灘で荒波にもまれて育ったブリは、身が引き締まって脂がのっているのが特徴だ。価格は前年と変わらず4kgで8,000円から。漁業関係者は「ブリはやっぱり刺し身にして食べるのが一番おすすめ」と話していた。
2023年も残り1カ月を切ったが、年末年始にかけて「暖冬」の影響が様々なところに広がる可能性がある。
(テレビ西日本)