北海道内ではシカやクマなど野生動物の被害が増加する中、ハンターを目指す人が増えている。

なぜ免許をとりたいのか、受験者に聞いてみた。

「ハンターになりたい!」目指すワケは?

12月3日、札幌市中央区で行われた狩猟免許試験。

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男性34人、女性11人の計45人が試験に臨んだ。ハンターを目指す理由を受験者に聞いた。

「山の中に入って作業するときに、ハンターにお願いしてもなかなか地方だといないという非常に辛い現状があり(自分で)護衛ができるように今回挑戦した」(受験者)

過去5年で最多 若手の受験希望者が増加中

2023年の狩猟免許試験には、定員を超える1276人の申し込みがあり、2022年より300人近く増加。

過去5年で最多となっている。

コロナ対策として3年前から試験会場ごとに定員を設定したところ、予想を上回る応募がある状態が続いているという。

「(石狩振興局では)半数の人が受験すらできない状況になった。2024年3月に追加で試験をすると北海道が発表した」(北海道猟友会札幌支部 奥田邦博 支部長)

以前は高齢者が中心だった受験者の年代も、20代から40代の若者が増えてきたと言う。

今年初めて狩猟免許に挑戦 男性に密着

その中の一人、2023年初めて狩猟免許に挑戦する男性に話を聞いた。井戸貴博さんだ。

Q:自信は?

「自信はある、これで落ちちゃったら恥ずかしいんですけど」(井戸貴博 さん)

Q:緊張は?

「少し緊張している」(井戸さん)

銃の扱いや法律の知識をレクチャー

試験に先立ち、井戸さんは11月26日に札幌市中央区で開かれた狩猟免許の講習会にも参加していた。

北海道猟友会札幌支部の講習会には男女計46人が参加。

銃の扱い方や法律の知識などを、先輩ハンターがレクチャーした。

井戸さんが本格的な指導を受けるのは、この日が初めて。

「銃口を人の方に向けてはいけないとか、基本的なことを教えていただいた。何回も注意され難しいところもあったが、しっかり身につけていきたいなと思っている」(井戸さん)

転勤で札幌市へ 北海道生活を堪能

大阪出身の井戸さんは、IT系の会社で営業職として働いていたが、2023年6月に大阪から札幌へ転勤に。

まだ北海道の冬を体験したことはない。

Q:今コート着ていないが?

「寒い」(井戸さん)

「シンプルに大阪の時からコートを持ってなくて、こっち来てからダウンを買おうかなと思ったが、なかなかいいものに巡り会えてなくて。靴をちょうど(2日前に)買って、全然滑らないんで驚いている」(井戸さん)

井戸さんの趣味は、釣りやキャンプなどのアウトドアと料理。

札幌市に来てからは知人と小樽市でイカ釣りをして、自分で刺身にして食べ、北海道生活を堪能している。

料理も中華鍋でチャーハンやチンジャオロースを作るなど本格的で、自慢の調理器具も見せてくれた。

「世界一肉がおいしく焼けるフライパンみたいなやつで結構分厚い鉄で美味しく肉が焼ける。やっぱり『鉄すごいな』と思っていつも使っている。やっぱり自分でとった肉は食べてみたい思う」(井戸さん)

ハンターを目指したきっかけは?

そんな井戸さんがハンターを目指したのは、札幌市へ来て1か月で見たニュースがきっかけだった。

「害獣の被害がすごい増えているというニュースを見た。ハンターが防除隊組んでいたり、銃で追い払ったりしてるのを見たのが、ハンターを目指すきっかけになった」(井戸さん)

2023年、北海道内のクマによる人身事故は12月7日までに8件、10人が死傷している。

またシカによる農作物などへの被害額は2022年度48億円あまりにのぼっている。

動物の命と向き合うハンターの重要性を、井戸さんは感じている。

「過度に増えた動物っていうのも間引きをしていかないと生態系も崩れていくし、こういう被害もどんどん増えてきちゃうと思う。抵抗はありながらも仕方ないかな」(井戸さん)

ハンター育成に注力 

社会に貢献したいという若者が増えることに猟友会は。

「社会のために頑張りたいと入ってこられる方は大歓迎。クマの対策事業をやりたいんだと思われて入ってきても5年、10年はできる訳がない。ただ、そこに至るまで、僕たちは教えていくし、アピールしてもらえれば、育成の枠にどんどん入れて勉強する機会も作る」(北海道猟友会札幌支部 奥田邦博 支部長)

試験を終えた井戸さんに改めて目指すハンター像を尋ねた。

「自分で鳥とかシカをとって食べたいなと思ったが、そうではなく、共存や住み分けの部分をしっかりと気にかけ、より良い生態系に寄与できたらと思うようになった」(井戸さん)

北海道文化放送
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