7日午後4時、9月30日に宝塚歌劇団に所属する女性が急死した問題で、遺族代理人の弁護士が会見を開いた。遺族代理人の弁護士2人は、遺族のコメントを発表。
さらに、主要なパワハラ行為は15あったと主張している。

急死した劇団女性の遺族側が会見

宝塚歌劇団に所属する25歳の女性が急死し、遺族が劇団内での長時間労働やパワハラを訴えている問題で、遺族代理人の弁護士が7日午後4時から会見を開いた。

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会見の大きなポイントの1つは「宝塚側が否定していたパワハラやいじめで、新たな事実が明らかになるのか」という点。

これまでの大まかな経緯は次の通り。

9月30日、宝塚歌劇団に所属する入団7年目の25歳の劇団員が死亡しているのが見つかった。

亡くなった女性の遺族は、劇団内での長時間労働に加え、度重なる暴言などをはじめとする上級生からのパワハラが、死亡の原因になったと訴えている。

これを受け、11月14日、宝塚歌劇団が記者会見を開き、外部の弁護士による調査チームの報告書を公表。

この会見で、歌劇団側はパワハラの有無について否定した。
具体的には、遺族側が主張していたヘアアイロンでのやけど被害や、上級生からの「うそつき野郎」などの暴言、LINEグループでのハラスメントやいじめは、劇団員への聞き取りの結果、確認できなかったと述べた。

また、長時間労働については、心理的負荷があった可能性は否定できないとしたが、遺族側は残業時間が277時間とした一方で、劇団側は118時間だと主張。残業時間の認定に100時間以上の差があるなど、双方の主張には隔たりがある。

11月の会見で、宝塚歌劇団・木場健之理事長は「故人の劇団に懸ける思いをサポートできなかったこと、守れなかったことを重く受け止め、ご遺族に深く謝罪するとともに、理事長職を12月1日をもって辞任する」と表明した。

この会見後、遺族側は歌劇団側がパワハラを否定したことは納得できないとして、調査報告書を批判する書面と証拠を提出のうえ、歌劇団側にパワハラの存在を認めるよう求めるとしていた。

主要なパワハラ行為は15か

7日に開かれた遺族側の会見で、遺族代理人の弁護士2人は、遺族のコメントを発表。

「娘と会えなくなってから2カ月がたちました。今でも娘からのLINEを、電話を、そして帰ってくる足音を待ち続けています。その間にさまざまなことがありましたが、劇団がパワハラを一向に認めない姿勢に憤りを感じています。劇団が調査依頼した弁護士による調査報告書の内容は、到底納得できません。宙組(そらぐみ)の生徒さんが勇気を出して証言してくださったこと、パワハラを行った上級生を擁護する歪曲(わいきょく)された内容になっています。しかしながら、調査報告書が認定している事実だけでも、当該上級生の言動がパワハラにあたります。何日も何時間も感情に任せて叱責(しっせき)され、「すみませんでした」と言うことしか許されず、泣きながら謝り続けている娘の姿を想像すると、憤まんやる方ない思いです。娘はもう何を言うこともできません。それを良いことに、自分たちの都合の良いように真実をすり替え、娘の尊厳をこれ以上傷つけるのはやめてください。私たち家族は劇団とパワハラを行った上級生が真実を認め、謝罪することを求めます」と伝えた。

また、遺族代理人の弁護士は、主要なパワハラ行為は15あったと主張した。

亡くなった女性が上級生からヘアアイロンを額に押し当てられ、やけどを負ったという話について、宝塚側は「故意ではなく、額に当たってしまったもの」と説明していた。

しかし、やけどをした当日の女性と母親のLINEでは「上級生に前髪を巻かれてやけどさせられた」「額が茶色になっている」「稽古中も痛かった」「わざとな気がする」などの内容が書かれていたと述べた。

また、やけどから1カ月以上たって撮られた写真を公開し、その時点でも額に黒く痕が残っていたと説明した。

女性のLINEには、皮膚科の医師に、やけどの薬を東京大劇場の楽屋に送ってほしいと依頼するやりとりも残っていたという。
(「イット!」 12月7日放送より)

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