2023年11月29日、鹿児島県の屋久島沖でアメリカ軍所属の輸送機、オスプレイが墜落した。佐賀県への配備が進められる中、予定されていたデモフライトの中止が決まるなど福岡県内でも波紋が広がっている。

オスプレイ墜落 デモフライトは中止に

海上保安庁によると、墜落したオスプレイには8人が搭乗。近くで乗員の男性1人が救助されたが、その後、死亡が確認された。翌日(11月30日)も現場海域では自衛隊の護衛艦などが捜索活動を続けたが、12月1日午前現在、ほかの乗員は見つかっていない。

川崎健太キャスター:
今回の事故は福岡県でも波紋が広がっています。次の日曜日(12月3日)に予定されていた、久留米市上空でのデモフライトは中止となることがわかりました

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佐賀空港に隣接する新駐屯地へのオスプレイ配備計画をめぐり、11月29日に佐賀県内を初飛行した陸上自衛隊のオスプレイ。しかし事故を受け、予定されていた飛行訓練は見合わせとなった。さらに、12月3日に久留米市などで予定されていたオスプレイのデモフライトも中止されることが決まった。

こうした中、佐賀への配備で飛行ルートになり得る福岡県柳川市の市民からは不安の声が聞かれた。

柳川市民:
落ちましたね。いやー、ちょっと怖いですよね。どうしたらいいんでしょう

柳川市民:
事故とか多いからですね、心配ではありますよね

柳川市民:
ちょっと怖いですよね、このへんに落ちたら。安全管理を徹底してもらって、安心してオスプレイが配備できるようにしてもらいたい

柳川市長「事故究明を」

2025年7月までに陸上自衛隊のオスプレイ17機が、佐賀空港近くの駐屯地に配備されることが決まっている。

柳川市からオスプレイが配備される新駐屯地までの距離は約4km。

悪天候などの場合にはオスプレイが柳川市の上空を飛行する可能性がある。

オスプレイの国内での死亡事故は今回が初。しかし過去10年、世界では死亡事故が多発している。米軍死者は約60人にのぼっている。

これまで行われた住民説明会でも、市民から不安の声が数多く聞かれた中で起きた今回の事故。柳川市の金子市長は―。

柳川市・金子健次市長:
きのう(11月29日)夕方、九州防衛局から連絡がありまして、驚いています

記者:
懸念されるのは、墜落事故と佐賀への配備のものがほぼ同型ということだが

柳川市・金子健次市長:
市民の安全安心を担保しなければならないという立場から考えると、非常にショッキングなニュースでありました。今回、事故究明を徹底的に行って公表していただきたい

金子市長は事故原因の報告などをふまえて、場合によっては再び住民説明会を開く考えを示した。

佐賀へのオスプレイ配備計画が進められる中で起きた今回の墜落事故。徹底した原因究明に加え、飛行ルートにあたっている地域住民の不安払拭(ふっしょく)が求められる。しかし、事故があった日以降も、沖縄の市街地上空では、独特の重低音を響かせてオスプレイは飛び続けている。

(テレビ西日本)

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