リニア中央新幹線は静岡県内の工事が遅れているが、大きな懸案となっていた大井川の水を巡る問題について、川勝平太知事がJR東海の提案を容認する考えを示した。

“水問題”解決に田代ダム案

JR東海が提案したのが「田代ダム案」だ。

田代ダムは大井川上流の静岡県側にあるが、東京電力の関連会社が管理していて、ここから山梨県にある水力発電所に水を送っている。

つまり、静岡県の水を山梨県に渡しているということだ。

JR東海によるとリニアのトンネル工事を行うことで、静岡県側から山梨県側に水が流出すると試算されている。

そこで2022年4月にJR東海が静岡県に提案したのが、トンネル工事で山梨県側に流れる量と同じだけ、田代ダムから水力発電のためにとる水の量を減らそうという「田代ダム案」だ。

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着工に向け「一合目よりは少し進んだ」

今回の着工に向けてどこまで進んでいるのかについて、静岡県の川勝知事は富士山に例えて「一合目よりは少し進んだ」と話しているということだ。

工事による南アルプスの生態系への影響について、国の有識者会議がJR東海のまとめた環境保全策を了承したのに対し、「十分な議論がされていない」としているほか、工事で出た土砂をどこに置くかについて合意には至っていない。

未だ静岡での着工に向けた見通しは、不透明なままのようだ。

(東海テレビ)

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