キクラゲの色といえば「黒」のイメージだが、実は「白いキクラゲ」も存在する。独自の技術で「白いキクラゲ」を作る宮崎・西都市の生産者にその特徴や魅力について聞いた。

九州でキクラゲ農家増えるも白は希少

西都市で白いキクラゲを栽培している黒木真二さん(58)がキクラゲと出会ったのは、46歳の時だった。

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きくらげ堂・黒木真二代表:
まず(黒の)キクラゲの乾燥を父親が持って帰ってきた時に、キクラゲの農家をやろうかなというのがきっかけで、九州のキクラゲ農家を見て勉強していた時に白いキクラゲを見つけた

突然変異によって生まれる「白いキクラゲ」
突然変異によって生まれる「白いキクラゲ」

アラゲキクラゲの突然変異によって生まれる白いキクラゲは当時、栽培方法は確立しておらず希少な食材だった。

きくらげ堂・黒木真二代表:
(国産のキクラゲの割合は)3%から10%ぐらいしかないと言われているんですけれども、九州ではキクラゲ農家が今現在、結構増えています。しかし、白は見当たらないです

1日6時間は栽培用ハウスで作業

白いキクラゲ作りの先駆者になりたいと決意した黒木さんは、産業ロボットの製造などに携わっていた経験を生かし、白いキクラゲの研究を進め独自の栽培方法を確立した。2019年に脱サラし、白いキクラゲの栽培を本格的にスタートさせた。

白いキクラゲの栽培用ハウスの中は真っ暗
白いキクラゲの栽培用ハウスの中は真っ暗

白いキクラゲの栽培用ハウスの中は真っ暗だ。キクラゲは光に当たると変色してしまうため、ハウスの中を常に暗くしておくことが大切だという。
そして、空気の循環や温度・湿度の管理を徹底することで、より肉厚で上質な白いキクラゲに育つ。

きくらげ堂・黒木真二代表:
現在は白を900株、黒を100株、トータル1,000株を栽培しています。自分で散水をするという作業があるんですけども、キクラゲの状態を見ながら、水をかけるところとかけないところを判断して(1日に)6時間はハウスに入っているんじゃないんですかね

「今後は流通を多くしていきたい」

丹精を込めて栽培している白いキクラゲは、和洋中どの料理にも合うと販売当初から評判だ。国富町にあるフランス料理店のシェフも、その魅力にほれ込んだ料理人の一人である。

ラポール・ド・クニトミの尾畑和雄シェフ:
まず、生の白いキクラゲというのにほれ込みましたね。普段乾燥とかしか見たことないんですけれども、それが国産、しかも宮崎産ということですよね。料理だったりデザートだったり、いろいろな取り組み・調理法で引き出しができて面白い食材だと思います。生産者の黒木さんの情熱が詰まった食材なので、やっぱり僕ら受け継いで一皿に、お客さんに提供することを心がけています

「白いキクラゲ」は、多くの料理人から愛されている。黒木さんの今後の目標を聞いた。

きくらげ堂・黒木真二代表:
栽培方法がある程度分かってきましたので、量をたくさん作って流通を多くするようにもっていきたい

栄養素にも注目が集まっている「白いキクラゲ」
栄養素にも注目が集まっている「白いキクラゲ」

この白いキクラゲは、実はおいしいだけではなく栄養素にも注目が集まっている。水分を多く保持し、腸の働きを促すとされる不溶性食物繊維が73.1グラム(国産大豆は16.4グラム)、ビタミンDは41.7マイクログラム(まいたけは20.0マイクログラム)とたっぷり含まれているという。

黒木さんは、家庭で鍋や味噌汁に入れるとおいしいと話していた。

白いキクラゲは「きくらげ堂本店」の他、下に記載の電話番号で受け付けている。
【問い合わせ】
きくらげ堂本店
電話090-3012-5604
(生)100グラム648円 ※完売次第終了
(乾燥)10グラム540円

(テレビ宮崎)

テレビ宮崎
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