コメ兵が渋谷に新しい旗艦店「KOMEHYO SHIBUYA」をオープンした。
若者層の新たな顧客獲得を目指し、リユース文化を広める使命を掲げる。市場の拡大に伴い、購入者体験の向上が重要で、特に若者層の取り込みが焦点になっている。
コンセプトは「出会ってしまった」
リユース事業大手のコメ兵が、渋谷にオープンする旗艦店がお披露目された。
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東京・渋谷に17日にオープンする、ブランドリユース大手・コメ兵の新店舗「KOMEHYO SHIBUYA」。その内覧会が15日に行われた。
渋谷の街やカルチャーにマッチする店舗として、新進アーティストたちによるアートが至る所に施されたストアのコンセプトは「出会ってしまった」。
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1階は、トレンドアイテムを中心とした“IMA(いま)”。
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2階は、ビンテージ品などを集めた“KAKO(かこ)”。
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そして3階は、未来に残していきたい名品や、永遠の定番品などがそろう“MIRAI(みらい)”と、リユースならではの“時代を超えた商品との出会い”をテーマとしている。
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国内リユース市場の規模が年々右肩上がりの中、今回、渋谷に店舗を構えた背景から見える、20代から30代という若年層への新たなリーチ。
そこには“1点もの”というリユース品と、若い世代の持つ、新たな価値観との“親和性”があった。
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コメ兵・石原卓児社長:
自分が興味あるモノに、お客様も財布のひもが緩み、自分にとって価値観が合うモノは、今、若い方もたくさん買っていただいている。(若年層顧客の獲得は)“長いお付き合い”。この一点でお客様が終わるのではなく、「また来るね」と言って帰っていただくようなことをやっていきたい。
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1階の入り口付近では、新たな出会いのきっかけとする“提案型ポップアップ”を毎月開催予定。
4階には、気軽に利用できるようにと、従来の閉鎖的な空間とは異なる開放的な買い取りスペースを設け、モノと人をつなぐフロアに。
“リユース”という文化を、渋谷から発信しようと目論む今回の出店。その先には…。
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コメ兵・石原卓児社長:
循環型社会の中で、モノとしてその商品、いいモノが次の時代につながっていくということをやっていくことが、我々の使命の一つだと思っています。
体験がリユースの価値認識つなぐ
「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
渋谷にオープンするリユース品の新店舗、いかがですか。
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一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
2022年のリユース市場規模は2.9兆円となっていて、この10年ほど、市場の拡大が続いています。一方で、リユース品の購入者の数は、人口の27%に過ぎません。
つまり、今後も市場の成長が見込めるわけですが、今後は顧客体験の価値の向上を通して、購入者人口の拡大を図ることがポイントになります。
ここでターゲットになるのが、ZやY世代といわれる若者層です。
堤 礼実 キャスター:
若者世代の取り込み、具体的には。
一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
今回のKOMEHYO SHIBUYAの店内は、行ってみたい、SNSなどにアップしたいと思わせるファッショナブルなスポットになっていて、楽しい買い物体験を提供しようとしています。
かつてはリサイクルショップ・質屋というと、上の世代を中心に、そこで買うのはどこか恥ずかしいと感じる方も少なくなかったように思います。
こうしたイメージを払拭するリフレーミングを、うまく図っているのが今回の新店舗であり、リユースに価値を認める若い世代の感覚を、上の世代へと広げていく拠点にもなるかもしれません。
リユース文化拡大に向けた強い意志
堤 礼実 キャスター:
消費者としては、お買い物に何か楽しいプラスαがあると嬉しいですよね。
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一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
モノがあふれている成熟市場においては、小売りは単にモノを売るだけでは競争に勝てません。今の消費者は買うことだけを求めているのではなく、情報を求めています。
今回の新店舗では、トレンドや渋谷らしさを熟知したスタッフのキュレーションによる、リユースならではのファッション提案を、毎月行うとしています。これはブランドの差別化となり、顧客の再利用意向や、ブランドへのロイヤルティを高めることにつながります。
コメ兵ホールディングスは、リユースを過去・現在・未来にわたって、人から人へと継承される文化にしようとしています。リユースの文化を社会に広めるための新店舗であり、ここに彼らの強い信念を感じます。
堤 礼実 キャスター:
渋谷という場所の特性を活かして、世代を問わずリユースをより身近に感じられ、モノの新たな価値を発信する場所になっていくといいですね。
(「Live News α」11月15日放送より)