山形県は11月6日、小国町で進めていた水力発電所の建設計画を中止すると発表した。建設資材の高騰や工事計画の変更によって、当初より事業費が大幅に増え、採算がとれないためとしている。

水力発電所の建設計画が中止に

山形・小国町綱木箱口での県の水力発電所の建設計画は2020年に決定し、2030年度の運転開始を目指していた。

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事業費は約80億円、最大出力は約4,100kwで、一般家庭4,600戸の1年分の電力を賄える見通しだった。

しかし県は6日の県議会でこの計画を中止すると発表し、7日の委員会でも審議された。

山形県・沼澤好徳企業管理者:
事業費が当初計画時の80億円から50億円増加する見通しとなり、改めて事業内容と経費等を精査した。しかし採算性を確保するめどが立たず、事業を中止せざるを得ないと判断した

事業費50億円増で採算とれずと判断

県によると、10月に完成した実施設計で事業費が130億円となり、予定よりも約50億円増えたことで、採算をとることが難しくなったという。

事業費が増加した理由は、建設資材の高騰や軟弱地盤のため水圧管のルート変更が必要になったこと、技術者不足による掘削工法の変更などとしている。

山形県・沼澤好徳企業管理者:
令和2年(2020年)当時に予測しえなかった要素がたくさんあった。今後新規発電所を考える場合、リスクヘッジをする上での事業採算性の欠け目の考え方をこれまで以上に厳しくする必要がある

県が進行中の事業を中止するのは初めて。

※沼澤好徳企業管理者の「徳」は、正しくは旧字体

(さくらんぼテレビ)

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