トヨタ自動車は、2023年度上半期に、世界での販売台数と生産台数が過去最高を記録した。要因は、半導体不足の回復と電動車需要の増加とみられる。専門家は、トヨタの好調な業績を評価しつつ、今後のEV(電気自動車)や水素自動車の展望にも注目した。

世界販売台数と生産台数が共に半期ベースで過去最高に

トヨタ自動車は、2023年度上半期の世界での生産台数と販売台数が、ともに過去最高になったと発表。4月から9月までの世界販売台数は、前の年の同じ時期より9.1%増えて、517万2387台となり、半期の実績として過去最高を記録した。

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半導体不足が回復傾向にあることや、北米や中国で電動車の需要が堅調なことが要因だという。

また、世界での生産台数も12.8%増えて、505万8248台となり、過去最高となった。

関連会社含めての決算内容が重要

「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。        

堤 礼実 キャスター:
絶好調のトヨタ、崔さんはどうご覧になりますか。

エコノミスト・崔真淑さん:
上半期の世界販売台数が517万台突破と、記録を更新しているのは本当にすごい。

先進国を中心にEV市場が広がるなかで、ストライキで生産の停滞懸念があるアメリカ、EVインフラがまだそれほど広がっていない、アジア新興国での伸びが大きいようだ。

11月1日に行われるトヨタの決算で、過去最高の生産と販売が、どのような形で利益につながっているか、注目したい。

堤 礼実 キャスター:
決算でのポイントは、どのあたりでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
自動車は日本にとって産業の裾野が広く、なかでもトヨタの影響力は大きいため、日本経済の行方を見ていく上でも大切。   

円安による海外輸出への恩恵だけでなく、円安によるエネルギーや原材料の値上げなどのコストアップを、どう考慮しているか注目したい。

ただし、コスト削減だけでなく、賃上げ要請の動きも出ているなかで、トヨタの関連会社などを含めて、利益が出ているかがポイントになってくる。

そもそも好調な企業業績があってこそ、物価高に追いつく賃上げが行われる。

これまで、トヨタ自体の強さにけん引される形で、デンソー、アイシンなどの関連企業含めて、好調な業績を発表しているので、賃上げについても期待したい。

課題はPBR。今後の展望にも注目

堤 礼実 キャスター:
いまのトヨタに課題をあげるとするならば、どういった点があるでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
やはり、株式市場での評価でしょうか。東証から上場企業に対しては、PBR(株価純資産倍率)と呼ばれる、株価が割安なのか割高なのかを判断する指標の改善について通達している。

PBRが1倍を割り込むと、その企業は「市場から評価されていない」とみなされるが、トヨタは今年、1倍割れから回復したばかり。

PBRを維持していくために、EV(電気自動車)や水素自動車といった今後の展望についての発言についても注目したい。

堤 礼実 キャスター:
現段階では、EVシフトを進めていくには、インフラの整備が課題になってくるかと思います。

こういった中で、トヨタが打ち出す全方位戦略を強みとして、今後もさまざまな可能性を示していってくれることを期待したいです。
(「Live News α」10月30日放送分より)

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