自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。
今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家が注目したのは、こんなお話。
「気になることがあると、すぐ“アドバイス”をしたがる我が子。肌が見える服を着ている人とすれ違ったら『風邪ひいちゃうよ!上着を着なきゃ!』と注意しにいってヒヤリ…」
すれ違う人以外にも「幼稚園の先生に呼ばれたお友達がいると、その背中を押して『早く行かなきゃだめだよ』と注意する」「お弁当を食べていないお友達がいると、食べさせようとする」など、何かと“アドバイス”“お世話焼き”をしたがる子どもたち。
本人は良かれと思ってしているのだろうけれど、親からするとちょっと恥ずかしいし、もしもトラブルになったら困る!なんて気持ちも…
なんでもアドバイスしたがる子どもたち、パパママがストップをかけていいの?育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんにお話を聞いた。
「色々なことができる」自信の表れでもある
――「大人にアドバイスする」「同世代の子どもの世話を焼きたがる」…これって子どもたちにはよくあること?
いつものもやもや育児の「あるある」とは少々異なり、この“お世話好き”は「子どもならだれもが」というものではありません。しかし、大好きな子は大好き、そんな印象がありますね。
私の相談室でもたまにこういうお悩みが持ち込まれますが、圧倒的に女の子が多いというのも特徴的です。年齢的には幼稚園生くらいのお子さんなので、4~6歳くらいでしょうか。
――子どもが「アドバイスしたがる・世話焼きしたがる」のにはどんな理由がある?
その子の性格と成長過程のかけ合わせによって、ある時期に起こりやすくなるのだと思います。
・見ず知らずの大人に話しかけることができる物怖じしない性格
・細かなことをよく見ている観察眼
・ある程度、色々なことができるという自信
・それを伝えるだけの言語能力
・認めてもらいたい気持ち
など、これらが合わさって「ひと言申したい」「お世話したい」ということになってしまうようです。一般的に女性の方が細やかでおしゃべり好きでもあるので、その特徴が幼少期に“ミニお母さん”のような形で出るのでしょう。
ただ、いくら性格が関係しているとはいえ、その“言い方”は学習によるものなので、どこかで聞いた表現をまねていることが多いはずです。私の相談室でも、「自分の言い方とそっくりだから恥ずかしい」とおっしゃるママは多いですね。
――子どものアドバイス、微笑ましく受け取る人も多いかもしれないけれど…パパママはどう対策したらいい?
そうですね、実際に言われた側は「可愛らしいわね~」と感じる方の方が多いと思うのですが、親御さんからすると「申し訳ない、生意気なことを言って」と気になってしまうようです。
“お世話好き”な気持ちが向かう先が、見ず知らずの他人・家族・お友達の場合、なによりも見ず知らずの人に対して対策をしたいと思いますが、一番対処が難しいのも見ず知らずの人です。なぜなら、ほとんどの人が、「そうね、わかったわ」「ありがとね」「可愛いわね」のように温かい反応をしてくれるため、それが次への原動力になってしまうのです。子どもからしたら「うまくお世話できたぞ」ということですね。
基本的に行動というのは、イヤな思いをしたり、期待していた反応が得られなかったりすることで消えていくものなので、もし通りすがりの人が冷たいリアクションをしたら、それはやめるきっかけになるかもしれません。しかし一般的には「子どもだから」と受け取めてくれる人の方が多いと思うので、親がやめるように言ってもなかなか効果は得られないと思います。
ですので、できる対策と言えば、現場でその都度親がフォローしていくことでしょうか。相手の方に対応のお礼を伝えたり、しつこくならないように引き際を見極めたり……。子どもだけにしないということも大事ですね。一過性のものなので、飽きればしなくなりますから、相手の方が受け入れてくれている限りは、このような形で見守っていくのが望ましいでしょう。
“アドバイスしたがり”は誰もが通る道ではないようだけれど、ひとりでできることが増え始める年頃に、自分はもう色んなことができる!という自信の芽生えとともに出てくるものだそう。
パパママが先回りして「知らない人にアドバイスしちゃだめ!」「お友達のお世話をするのはやめようね」と注意するのは簡単だけれど、子どもたちの“アドバイスしたがり”は短い時期限定のもの。
もしかしたら、子どもたちの視点ならではの、目からウロコなアドバイスも飛び出すかも?まずは近くで見守りつつ、アドバイスを受けてくれた人へのフォロー役に徹してみてはいかがだろうか。
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「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。
・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
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などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?
※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。
(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。
(漫画:さいとうひさし)