子どもの性被害が相次いで報告される中、わいせつな行為から身を守るための教育が重要になってきている。

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就学前の子どもたちに対して、独自に性教育を行っている保育園を島田彩夏アナウンサーが取材した。

パズルも使って性教育

東京・北千住にある北千住どろんこ保育園。

子どもたちが興味津々な表情で見つめているのは、皮膚や骨などを重ねることができる「人体パズル」だ。「こわ~い! こわい!」という声が上がる中、宮澤叙栄施設長は、「これおばけじゃないんだよ。顔の皮を取ると筋肉っていって...」と説明する。

「北千住どろんこ保育園」を運営するグループでは、およそ20年前から、こうしたパズルや絵本などを使って“性教育”に取り組んでいる。宮澤施設長は「そこは自分しか見ちゃいけないところ、秘密の場所なんだ。そこを『プライベートゾーン』って言うんだよ」と子ども達に優しく語りかける。

子ども達は、体の事を人体パズルで学びながら、水着で隠す部分は「プライベートゾーン」と言って、「人に触らせてはいけない大切なところ」だということを学んでいる。

性被害からの逃げ方も

この保育園では、性被害に遭わないためにどうすればいいかも伝えている。宮澤施設長は、「何だか嫌だなぁとか、怖いなぁとか、危ないと思ったら、大きな声で『誰か助けて』って言うんだ」と子ども達に言い聞かせていた。

なぜ、保育園でこうした取り組みをしているのだろうか。それは、先入観なく受け入れられる幼児期に“正しい性の情報”を知ることは、“子どもたちの体と命を守ること”につながるからだという。

島田彩夏アナウンサーが子ども達に「きょうのお話をお母さん、お父さんに伝えたい人?」と聞くと、子どもたち「はーい」と一斉に手を上げる。「ダメなことは?」と聞いてみると、「知らない人のプライベートゾーン見ちゃだめとか、自分のプライベートゾーンを見せちゃだめとか」としっかりとした答えが返ってきた。

保護者からは、「どう教えていいかわからない部分があるので、先生方に教えていただけるとありがたい」と歓迎する声も聞かれた。

性犯罪が相次いで明らかになる中、子どもがプライベートゾーンについて知ることや、子どものSOSに気づくことが大切だという。

こども家庭庁は、保護者にも適切な知識を周知するよう、全国の自治体に通知している。

宮澤施設長は、「性教育って聞くとちょっと恥ずかしいとか、そういうふうに思ってしまうと思うけれども、ありのままの、本当のことをきちんと伝えるというところが大事」と話していた。