東北地方では、朝の最低気温が一桁になることも増えてきた。暖房に灯油を使うことが多い福島県で、灯油使用について話を聞くと「灯油は残っているのがあれば、それを始めに使う。今まで使っても問題なかった」と言う人も。古い灯油は火災リスクもあるという。みなさんは正しく使用しているだろうか?
臭い・色に注目!変質灯油
「残っているものを使ってしまいたい」というのは誰もが考えることだと思うが、古い灯油は火災のリスクが高い。3年前の灯油と新しい灯油を比べてみると、色に違いは見られないが古い灯油からは少しすっぱい臭いがした。
この記事の画像(8枚)変質灯油は異常燃焼のおそれ
異常燃焼の原因となるのが、時間が経過したことによる「変質灯油」。郡山消防本部の小泉崇史さんは「異常燃焼を起こすと炎が立ち上がって、正常の燃焼であれば届かないような所にも火が届くおそれがあり、火災のリスクは高くなる」と話す。
灯油はワンシーズン使い切り
変質灯油を使った実験映像では、消火しようとしても火は点いたままで、芯の先端が燃え続ける「異常燃焼」が起きていた。また、不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生する危険もある。
郡山消防本部の小泉さんは「灯油はワンシーズンで使い切るという事は念頭に置いていただいて、昨年の灯油は持ち越して、使わないといった事を心がけていただければ」と話す。
灯油ストーブは正しい使用を
古い灯油に関わらず郡山消防本部管内では、灯油を使った暖房器具が原因となった火災は、2022年は4件発生している。
郡山消防本部の小泉さんは「ストーブの周りに燃えやすいモノを置かないとか、スプレー缶やカセットボンベを置かないといった使用する環境を整えていただいて、正しく使用して安全な冬を過ごしていただきたい」と話す。
古い灯油の処分
古い灯油の処分については、灯油を購入する利用客にサービスとして無料で行っているガソリンスタンドもある。回収に出向いて処分する場合に手数料がかかったり、処分できないスタンドもあるので、事前に確認を。
庭にまいたり側溝などに捨てるなどの行為は、決して行わないようにしてほしい。
(福島テレビ)