東京・八王子市は10月18日からデジタル地域通貨「桑都(そうと)ペイ」の運用を始めた。物価高で苦しむ中でのお得なキャンペーンが、思わぬトラブルに見舞われている。
「チャージできない」市には1000件以上の苦情殺到
地域活性化を図るため八王子市が運用を始めたデジタル地域通貨「桑都ペイ」は、専用アプリを使ってスマホにお金をチャージすると利用者に30%のポイントが還元される。これにより最大9000円相当のポイントが受け取れ、市内の加盟店で使えるというものだ。名前にある「桑都」とは、古くから使われる八王子の別名だ。

ところが、ポイント還元が先着順だったためか、サービス開始直後からアクセスが集中。クレジットカードなどで入金できない人が相次ぎ、チャージ機能を停止する事態に追い込まれた。
市の担当者がチャージ方法などを案内する窓口には、突然のトラブルで頭を抱えた利用者が数多く訪れていた。桑都ペイの利用者からは、「いつごろ(チャージが)できるようになるんだろうって感じ。トラブルが続くんだったら、使える期間を延ばしてほしい」といった声が聞かれた。市には1000件以上の苦情が殺到している状態だ。

これまでに「桑都ペイ」をダウンロードした人は約5万人だが、現在利用できているのは、機能が停止される前にチャージできたわずか1400人ほどのみだ。入金できた人は「たぶん殺到するだろうなということで早めにチャージした」と話す。
復旧の見通しは立っておらず、多くの八王子市民は「まだチャージができない」「ちょくちょくアクセスするしかない」と、チャージしたくてもできないことにもどかしさを募らせていた。
加盟店からも心配の声
「桑都ペイ」での来客アップに期待していた地元の加盟店からも、心配の声が上がっている。
自家製のミートソースとたっぷりのチーズを使ったラザニアや生ハムが人気のイタリアンカフェ「OSTERIA CAFE DaDOMANI」も桑都ペイ加盟店だが、利用者はまだひとりも来ていないという。

OSTERIA CAFE DaDOMANIの瀬間麻美さんは、「最初から(市から)店舗に届く備品が遅かったので本当に始まるのかなみたいなところはあった。本当に(桑都ペイは)使えるのかなと思う」と心配する。
八王子市は「来週中頃までには復旧したい」として、現在対応にあたっている。
(「イット!」10月19日放送より)