秋の風物詩、ボジョレ・ヌーボーが日本に到着した。円安や航空運賃下落により、価格は1割から2割安くなり、輸入量も増加見込みだ。
2023年の新酒は、酸味と糖度のバランスが良く、ボジョレ・ヌーボーのイベントも復活することによって、市場の活性化に期待できるとのことだ。
2023年のボジョレ・ヌーボー到着
秋の風物詩「ボジョレ・ヌーボー」を乗せた第一便が、羽田空港に到着した。

輸入販売元のサントリーによると、2023年のボジョレ・ヌーボーは円安の影響があるものの、航空運賃が下がったことなどから、2022年より店頭価格が1割から2割ほど安くなる見込みで、値下がりは14年ぶりとなる。

また、コロナ禍からの本格的な需要の回復も見込まれることから、輸入量は増える見通し。
2023年のブドウは、猛暑の影響で甘みが凝縮されたという。

ボジョレ・ヌーボーは11月16日に解禁される。
日本は世界販売の約半分占める“トップ市場”
「Live News α」では、マーケティングアナリストの渡辺広明さんに話を聞いた。
堤 礼実 キャスター:
ボジョレ・ヌーボー、楽しみですね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
日本は日付の関係で、世界でどの国よりも早く、ボジョレ・ヌーボーが飲める地の利を活かし、特別感のある楽しいイベントとして定着してきました。
2023年は行動制限も解除されたことで、パーティー需要が復活する兆しがある中、夜の外食シーンで、ボジョレ・ヌーボーの企画も各地で行われるようです。
堤 礼実 キャスター:
2023年は、本来のボジョレ・ヌーボーらしい盛り上がりが期待できそうですね。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
それを望む関係者も多いはずです。2023年のボジョレ・ヌーボー市場は、11年ぶりに前の年を超える2割増が予想されていて、久しぶりにマーケットが活性化しそうです。
中東情勢が緊迫化する前の、比較的原油価格が落ち着いているタイミングで、フランスからの輸送などを手配したため、価格帯が2割程度下がると予測されており、物価高の中、嬉しいニュースにもなりそうです。
堤 礼実 キャスター:
この楽しくておいしいイベント、ビジネスの視点で見ると、渡辺さんの目にはどのように映っていますか。
マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
日本におけるボジョレ・ヌーボーは、2004年に販売のピークを迎えていますが、今でもフランスを除く、世界販売の約半分を占めているトップ市場となっています。
日本のワイン市場は、バブル期にあたる33年前の3倍強となり、今では食事の中で当たり前のようにワインを飲むという方も多いです。
ボジョレ・ヌーボーはワインブームの火付け役となり、さらにはその定着の後押しをする大きな役割を果たしてきました。
各社競う“キャッチコピー”にも注目
堤 礼実 キャスター:
確かに、ワイン好きという方、多いですよね。

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
ワイン通にとって気になるのは、新酒のワインに使われるブドウの作柄です。2023年のブドウは酸味と糖度のバランスがとれていて、収穫量も2022年よりも多いようでした。
ボジョレ・ヌーボーでは、各社が競うように、その年のワインの特徴を織り込んだキャッチコピーを作っています。2023年のサントリーの商品は、「まるで摘みたての赤い果実を、そのまま口にほおばったような味わい」としています。11月16日の解禁日が待ち遠しいです。
(「Live News α」10月18日放送より)