立憲民主党の泉代表は29日の会見で、大阪・関西万博の建設費増額について、「ただ許容するのはいけない」と述べ、安易に容認できないとの認識を示した。
さらに、日本維新の会の議員らが、身を切る改革として給与の一部を自治体などに寄付していることを念頭に、「維新の議員さんはいろんな所に寄付をしているようだが、大阪が大丈夫ですかと。まず大阪の万博の資金難があるんじゃないですかということも指摘せねばならない」と述べた。
万博の建設費は、誘致時の計画では1250億円だった。その後1850億円に増額され、国・大阪府市・経済界で3分の1ずつ負担とされてきたが、資材高騰などを背景に、さらに2千数百億円にまで増額する方向で日本国際博覧会協会が精査している。
泉氏は、今年1月に立憲・岡田幹事長が現地視察した際、行政担当者から「(費用の)追加はない」と説明を受けていたとして、「もうその時点で物価高は進んでいた。ズルズルとここまで来て、バタバタと様々な発注をすることになって、一層価格の高騰を招いているのであれば、それは手法のミスだ」と批判し、経費の削減を検討するよう求めた。
会場となる「夢洲(ゆめしま)」は人工島で、大規模な地盤改良工事を要した。車両のアクセスも橋とトンネルの2ルートに限られ、工事の制約が大きいが、大阪府の松井前知事らが「負の遺産の活用」を目指して夢洲での開催を推し進めた経緯がある。
この経緯を念頭に泉氏はさらに、「場所を選んだことによる経費負担があったとすれば、それは当然、場所を推した方々の責任だと考える」と述べ、松井氏らの責任を指摘した。負担割合について意見が飛び交う現状については、「そもそも増額が妥当なものなのかが問われている。そちらを問うのが先ではないか」と語った。
万博の建設費をめぐっては、大阪維新の会が26日の府議会本会議で、増額分を国が負担するよう、大阪府の吉村知事に求めている。吉村知事は29日、記者団に対し「(協会の)精査の結果が出れば、こちら(大阪府)の方で厳格に精査する」と述べた。