パリオリンピックの切符をかけたワールドカップバレーで、いよいよ男子の試合が開幕する。活躍が期待される鎮西高校出身の宮浦健人選手(24)が、熊本に帰省した時に畑野監督と面会し、世界での活躍を誓った。
「パリ五輪の切符だけは絶対取りたい」
男子日本代表・宮浦健人選手:
今シーズン最も重要な試合で、自分自身パリ五輪というのは目標にしてきたので、このパリ五輪の切符だけは絶対取りたいと思っている

8月、つかの間の休息を利用し、古里へと帰ってきた宮浦健人選手。熊本地震が起きたのは宮浦選手が高校3年生、キャプテンに就任した直後だった。

男子日本代表・宮浦健人選手:
当時は本当に苦しくてもがいていたが、そういった中で自分たちにできることは何かということを考えましたし、常にいま自分にできることは何かと考えているので、あの経験が今にすごく生きている

高校を卒業後、早稲田大学に進学。4年時にはキャプテンとしてチームを引っ張り、全日本インカレ4連覇を達成した。
世界を相手に頭角「サーブを証明できた」
2021年、日本代表に選出されると、2023年のネーションズリーグでは日本男子初のメダル獲得に貢献。世界大会でメダルを獲得するのは実に46年ぶりの快挙だった。

男子日本代表・宮浦健人選手:
サーブという部分ですごく自信を持っていて、今回ネーションズリーグでそれを証明できてよかった。今まで日本が表彰台に立つことはなかったので素直にうれしかったです

世界を相手に頭角を現しはじめた宮浦選手だが、その要因は昨シーズン世界三大リーグの一つ、ポーランドでの武者修行にあった。世界トップクラスのライバルたちとしのぎを削り、真剣勝負を繰り広げた日々は国内では経験できない刺激となり、彼を大きな成長へと導いたのだ。
男子日本代表・宮浦健人選手:
日ごろの練習から高さのある選手と対峙してきたので、そこは自分の強みになるし、個人としてもトレーニングや日ごろの練習をやってきて成長している部分を感じるのでそこを出していきたい
鎮西高校の恩師・畑野監督の元へ
帰省した際、高校時代の恩師・畑野監督の自宅も訪れた宮浦選手は、ネーションズリーグでの活躍を報告。畑野監督は「良かったね。また頑張らなんね」と声をかけた。

ーーニュースで宮浦選手の活躍は?
畑野久雄監督:
見てますよ。力が付いてきたね、パワーが。あと高さが出てきたね

ーーここまで成長するとは?
畑野久雄監督:
安定してたからね、ミスの少ない選手だったから。パワーついて高さ出てくれば活躍する可能性は高いなと
男子日本代表・宮浦健人選手:
久しぶりに畑野先生と会えて…高校時代のイメージが…
畑野久雄監督:
優しかったろうが?

男子日本代表・宮浦健人選手:
いやいや…(笑)怖かった。かなり怒られていたので
畑野久雄監督:
怒った記憶はないぞ
男子日本代表・宮浦健人選手:
そうですか…(笑)
畑野監督「もういっちょ高いレベルへ」
教え子の成長に目を細める一方で、パリでの活躍を見据え、さらなる成長を求めた。
ーーまだまだ課題はある?

畑野久雄監督:
いっぱいありますよ。安定しているけど、もういっちょ高さとかスピードやパワーが出てこんと安定して高いレベルでやっていけん
男子日本代表・宮浦健人選手:
心に刺さりますね…
畑野久雄監督:
要求が高くなるからね

男子日本代表・宮浦健人選手:
ちゃんと見てくれてアドバイスいただけてうれしい。受け止めて頑張ろうと思う
畑野久雄監督:
頑張らなんね
男子日本代表・宮浦健人選手:
はい、頑張ります
畑野久雄監督:
勝つように頑張れよ!

宮浦選手はワールドカップを終えると、今度はフランスに渡り新たなチームに身を置く。畑野監督に言われた「もういっちょ高いレベル」に到達するためにだ。
「パリ五輪で活躍見せて恩返し」
男子日本代表・宮浦健人選手:
応援してくれる人や支えてくれた人に五輪で活躍見せて恩返ししたいと思うので、できることを出し切って、見ている人に元気や感動をパリの切符を取って与えたい

パリで羽ばたく姿を多くの人に。そのためにもまずは切符獲得へ。鎮西高校出身選手で初となるバレーボール競技でのオリンピック出場を決めるため、いよいよ大一番に挑む。
(テレビ熊本)