岸田首相が行った内閣改造に伴い、国民民主党で参院議員を務めた矢田稚子氏(57)が首相補佐官に起用されたことについて、自民党の茂木幹事長は19日「様々な政策を前に進めてもらうことを期待したい」と評価した。
矢田氏の補佐官起用は岸田政権にとって、矢田氏の出身労働組合である電機連合を取り込み連携を深める狙いがあり、国民民主党を連立政権に加える構想の布石とも見られている。
19日に行われた自民党役員会後の記者会見で、茂木幹事長は、矢田氏について「私もよく存じ上げている。労働問題に精通しており、これまでも活発に政策提言をおこなってきた方だ」とした上で「岸田政権が目指す構造的な賃上げなどについて知見を生かし、様々な政策を前に進めてもらうことを期待したい」と述べた。
また、矢田氏が推進してきた賃上げ政策について、政府・与党で今後どう取り組むべきかを問われた茂木氏は「1人1人の生産性を上げることが極めて重要だ」と述べた上で、「やりがいのある仕事と高い賃金を継続的に得られる社会の実現を目指して、政府与党として連携し、思い切った取り組みを進めていきたい」と語った。
一方、政府が来月をめどにとりまとめる予定の経済対策について茂木氏は、「マクロの対策も必要だが、ミクロのレベルで見ると人手不足の問題がある。事業を出しても担い手がいないと、事業を執行できない」として、担い手確保の工夫が必要だとの認識を示した。
矢田稚子氏(57)は、1984年に松下電器産業に入社。2016年の参院選比例区に、連合傘下の労組「電機連合」の組織内候補として民進党から出馬し初当選。2022年参院選では国民民主党から出馬したが落選していた。
(フジテレビ政治部)