8月31日夜のバスケットボールのワールドカップ、ベネズエラ戦で、劇的な逆転勝利の立役者となった比江島慎(ひえじま・まこと)選手は、以前は愛知県のチームに所属していた。その時に語ったのは、亡き母と結んでいた「約束」だ。
亡き母との約束を胸に…
日本は8月31日夜、勝てばパリ五輪に大きく近づく格上のベネズエラと対戦し、チーム最年長の比江島慎選手が3ポイントシュートを次々と決め、逆転勝利した。
大活躍した比江島選手だが、2018年までは愛知・刈谷市が拠点の「シーホース三河」に所属し、BリーグのMVPにも輝いている。2018年の取材では、比江島選手はカフェでスイートポテトのバニラアイスを頼み、「甘いもの結構好きですからね」と話し“甘党”を公言していた。
比江島選手がかつて訪れたことがある、愛知・知立市のカフェ「Sun Plus Cafe」。

その店長、神谷幸秀さんに話を聞いた。

神谷幸秀店長:
めちゃくちゃ感動しました。ここでみんなで見ました。本当にあれから比江島選手が来た店ということで皆さんに来ていただいて、「どこに座っていました?」って(聞かれる)。その席に座りたいというお客さんが遠方から来たりして

そんな比江島選手にとって、忘れられない試合があるという。2018年5月13日の三河シーホース対宇都宮ブレックス戦だ。比江島選手は「母が見ているのかなと思ったので」と話し、試合に挑んでいた。
実は、その3週間前に母親は亡くなっていた。
比江島慎選手:
亡くなってしまったんですけど、常々お母さんに「オリンピックには出たい」と言っていたので、そこは約束しているので
母との約束は「オリンピックに出ること」。しかし、開催国枠で出場した東京オリンピックは全敗し、悲願のオリンピック勝利はパリへ持ち越しになっていた。
比江島慎選手:
前回のワールドカップを含めて、そういった悔しい経験をしたメンバーがチームを引っ張ってよかったと思います
母校から“さらなる活躍への期待”
そして、もう一人。フィンランド戦でスリーポイントシュートを4回決めるなど、初勝利の立役者となった名古屋市守山区出身・富永啓生選手。母校の愛知・豊橋市の桜丘高校には、富永選手のユニフォームとサインが飾られていた。

桜丘高校バスケットボール部の監督・水越悠太さん:
昨日の試合に関しては、彼自身も納得いくプレーがまだまだできていなかったと思うので。日本を沸かせるようなプレーをぜひしてほしいと思っております

桜丘高校バスケットボール部の主将・平寿哉さん:
次の試合でいい確率で(シュートを)決めてもらって、パリオリンピックを決めてもらえれば、後輩としてこれからの勇気にも自信にもつながってくると思うので、頑張ってほしいです

9月2日に行われたカーボベルデ戦で勝利し、パリ五輪への切符を手に入れた日本。比江島、富永、両選手のさらなる活躍に期待が集まる。
(東海テレビ)