「ゲートウェイドラッグ=様々な薬物の入り口」とも言われる“大麻”が、今若い世代で広がっている。2022年、大麻に関連する検挙者は5342人に上り、このうち約7割を20代と未成年者が占めた。精神科の医師は、若い世代がノリで手を出すことは避けなくてはならいと警鐘を鳴らす。
福島県の検挙者も最多に
6月20日から全国で始まった薬物乱用防止のキャンペーン。福島県二本松市では、ボランティア団体や地元の高校生などがチラシを配り、薬物乱用の撲滅を呼びかけた。

街の人は「子どもが、いつそういう立場になるか分からない。大人の人が話をしてやるっていうのは大事だと思う」と話す。

全国では2022年一年間で、大麻に関連する検挙者が5342人に上り、このうち約7割を20代と未成年者が占めた。福島県内でも2022年の検挙数は29人と、1989年以降最も多くなっている。

幸せな気分に…幻覚や酩酊
「患者さんのお話ですと、大麻そのものは吸ったときに幸せな気分になったり、視覚と聴覚が過敏になって、すごいイメージがわいたりすると」こう話すのは、福島県会津若松市にある竹田綜合病院の精神科医・小薗江浩一氏。

脳などに作用し、幻覚や酩酊状態をもたらす大麻の成分。依存やより強い作用を求めるようになり、覚せい剤などに手をのばす恐れも指摘されている。

国は、医薬品の使用を可能にする一方、目的外の乱用を防ぐために「使用罪」を設ける法改正を検討している。

手を出す前にしっかり引き留める
小薗江浩一医師は「ノリで手を出しちゃう若い子たちは、何とか避けなくてはならない。親からの虐待があったり、家にいられない状況があったりしたようなときに、それを飲むと一時的に楽になれると。そのつらい部分、生きづらさの部分を解消する手段は他にあるんだよと。そういう場所を作ってあげることが大事」と話す。

若者が薬物と接触してしまう前に、その背景と向き合いしっかりと引き留めることが求められている。

(福島テレビ)