ガーシー容疑者の突然の逮捕劇。水面下で進められてきた捜査当局の執念が見えてきた。

国民へのメッセージは「急すぎて何もない」

持ち物はスマートフォン1台だけ。

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まさに突然の“日本帰国”だった。

記者リポート:
笑っています。つい先ほど逮捕されたガーシーこと東谷義和容疑者、ブルーのTシャツ白の短パン。ずーっと笑っています。

きのう4日、滞在先のUAE=アラブ首長国連邦から突如帰国し、逮捕された元参院議員のガーシーこと東谷義和容疑者(51)。

捜査関係者によると、ガーシー容疑者は財布などの所持品はなく、機内では唯一持っていたスマホで、知人らと連絡を取り合っていたという。

記者:(スマホでのやりとり)
帰国してるんですね

ガーシー容疑者:(スマホでのやりとり)
逮捕されるけど。

逮捕の直前までガーシー容疑者とやり取りを続けていたフジテレビの記者は、機内での印象についてこう証言する。

ガーシー容疑者とやりとりしていた記者:
端的なやり取りの語尾に笑いマークの「w」が何度かついていたので、案外、平常心なのかと最初思っていました。

余裕をのぞかせる一方、気になる文面もあった。

ガーシー容疑者とやりとりしていた記者:
「国民へのメッセージなんかあったらお願いします」と伺ったら「急すぎて何もない」と返ってきたんですね。つまり、自分の意思での帰国ではないのかなと。
 

UAEに長期間滞在できる“特別なビザ”を取得していたとみられるガーシー容疑者。

しかし、帰国を“急すぎて”と表現するなど、本人にとって“急転直下”だったことを匂わせていた。

警察の強い執念がUAE当局を動かす

逮捕劇の背景に何があったのだろうか?

5月下旬、警視庁などは10人弱の捜査員を現地に派遣し、UAE当局に協力を求めていた。

すると、4日朝、UAE当局から外務省を通じて警察庁に「ガーシー容疑者を帰国させる」との連絡が入ったという。その際「具体的な便名」まで通知が。

また、4月に出された国際手配が、帰国数日前に所在確認を求める「青手配」から、身柄拘束を求める「赤手配」に切り替わっていた。

その後の取材で、日本の警察当局が2日までに“国外退去”の可能性について感触を得ていたことが分かった。

UAE当局が不法滞在としてガーシー容疑者を拘束し、事実上の強制送還に踏み切ったとみられている。

SNSでは、帰国時にガーシー容疑者が着ていたキャラクターTシャツなどが話題となった。

フジテレビの上法 玄解説委員は、ここに“今回の逮捕劇のポイントがある”と指摘する。

フジテレビ 上法玄解説委員:
注目なのは、ガーシー容疑者の服装です。Tシャツ・短パン・サンダル姿という着の身着のままの姿からすると、突然UAE当局が半ば強制的に移動を命じたことが伺えます。(ガーシー容疑者)本人にとっても寝耳に水の出来事が起きたと言えそうです。日本とUAEは“犯罪人引き渡し条約”を結んでいないため、UAE当局がガーシー容疑者の拘束に動いたことは極めて異例と言えます。

“極めて異例”の逮捕劇。そこにはUAE当局を動かした警察の執念があったという。

フジテレビ 上法玄解説委員:
警視庁のある捜査幹部は「逃げ得は許さない」と明かしています。執念の交渉でUAE側を動かしたことで、異例の帰国・逮捕につながったと言えます。

参議院の懲罰委員長として除名処分などに関わり、ガーシー容疑者から“攻撃”を受けた鈴木宗男氏は…

日本維新の会 鈴木宗男参院議員:
正直に裁判に臨んでほしいなと思います。

警視庁は、きょうからスマホの解析作業を進めるとともに、本格的な取り調べを始めている。 

(「イット!」 6月5日放送より)