心配されるペットの新型コロナ感染

新型コロナウイルスに気をつけなければいけないのは、ヒトだけではないようだ。
家族の一員でもあるペットにもさまざまなリスクがあると、専門家が警鐘を鳴らす。

小さな体で飼い主に思いを伝えようと必死なのは、福岡市に住む荒瀧さん家族が飼っているトイプードルの「レミィ」。飼い始めて12年、家族同然の存在となっている。

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日課の散歩。近くの公園を一緒にゆっくり歩く。
しかし、荒瀧さんには、このところ気になっていることがある。新型コロナウイルスだ。

自分自身が感染しないことはもちろんだが、レミィが感染しないか心配している。

人から動物に感染が広がるかは、まだ分かっていないが、アメリカの動物園では、飼育しているトラが感染したという報告も寄せられている。

帰宅した荒瀧さん。まずは、手に持っていたリードの消毒、続いてレミィの足も消毒する。
自分は、手洗いやうがいなどで対策可能だが、レミィは自分で予防することができない。

荒瀧幸子さん:
犬ということを超える。もう家族。コロナウイルスなんかで亡くなると、やっぱりつらいですよね

動物が路上のマスクのみ込むケース増加

このところ散歩中、路上にあるものが落ちているのが目立つと話す。それは…。

荒瀧幸子さん:
やっぱりマスクは落ちている。歩くときはなるべく下を見て、注意している

レミィが、落ちているマスクに近づいたり、のみ込んでしまったりしないか、注意しているという。
国内では、動物がマスクを飲み込んでしまうというケースがこのところ増えていて、獣医師もその危険性を指摘している。

福岡動物医療センター・佐藤良治獣医:
当然、腸に下っていけば、布でもプラスチックでも毛糸でも、詰まる恐れは十分ある

丈夫な素材でできているマスク。
消化されにくく、放っておけば腸が詰まり、最悪の場合、死んでしまうこともあるという。
さらに、この病院ではこんなケースも起きていた。

福岡動物医療センター・佐藤良治獣医:
これが縫い針

5月に撮られた犬のレントゲン写真。のど元にある縫い針は、飼い主が「布マスク」を作る際に使っていたもの。
新型コロナの感染拡大で、布マスクを手作りする人が増えたが、飼い主がちょっと目を離した隙に、縫い針をのみ込んでしまった。

福岡動物医療センター・佐藤良治獣医:
最悪なのは、食道辺りで止まること。胃の中に入れば、取るのは簡単。食道となると、組織がもろいから、非常に苦労する

新型コロナでペットを取り巻く環境にも変化が起きている今、さまざまなリスクに注意が必要となる。

「家に残して行けない」…ホテル療養拒むケースも

ペットをめぐっては、福岡県内の各保健所などへの取材でこんなケースもあった。

福岡市で新型コロナに感染した軽症者に、市が軽症者療養用のホテルに入るよう説得した。しかし、「ペットがいて心配」、「家に残しては行けない」とホテル療養を拒んだという。

こうしたケースが、福岡県内では、把握されているだけで3件起きている。そこで市では、感染者のペットを動物愛護センターで預かる緊急措置を始めた。

自分が元気でないと、ペットを守ることはできない。感染した時にきちんと療養生活を送れるように、預け先を事前に決めておくことも大切だ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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