「白」が使える不思議なノート

日々、様々な文房具が登場する中、編集部でも“透明な消しゴム”などいくつかの商品を紹介してきた。

(参考記事:「透明消しゴム」がカッコいいと発売前から話題! “消し味”も担当者に聞いてみた

一方で、企業や学校などでもペーパーレス化が進み、ノートと鉛筆を使う機会も以前と比べて減ってしまったように感じるが、そんな中、「着眼点がすごい!」と話題になっているノートがある。

それが、大手文具メーカー・コクヨ株式会社から発売される「白と黒で書くノート」

この記事の画像(4枚)

中身を見てみると、ページは全て灰色になっており、その名の通り黒だけでなく「白」も使って書き込めるようになっている。

たとえば数式の部分を黒いペンで、答えの部分を白いペンで書き込むといった使い方ができるが、図の影の部分を黒で、光の部分を白で描くなど、光と影の表現ができるというポイントも。

発売を前に、SNSではさっそく「使ってみたい!」「白いノートに黒で書くと目がチカチカするのでとても良い」などの声が挙がっているが…

しかし、やはり「目立たせたいポイントは赤ペンでチェック!」というのも定番。

普通の白いノートに赤ペンチェックするのに対して、「白と黒で書くノート」のメリットをコクヨ株式会社にお話を伺った。

「視覚のスイッチ切り替え」で集中して読める

――「白と黒で書くノート」のアイデアはどこから?

「BEYOND BOUNDARIES(境界を越える)」をテーマに開催した、コクヨデザインアワード2018優秀賞を受賞した「白と黒で書くノート」(中田邦彦さん作品)は、視覚の“境界”をテーマとした作品です。明度のコントラストを利用したノートの新しい使い方を提案したもので、デジタルの表現では特に多用されている背景色に対して文字の明暗を選ぶテクニックから着想を得て考えられました。


――商品のコンセプトはどんなもの?

灰色の紙に黒と白の文字を書く、ノートとその書き方の提案です。

紙の色に対して暗い色の文字と明るい色の文字は同時に読みにくいという視覚の性質を利用します。黒い文字を読みながら白い文字へ目を移す時、視覚のスイッチを切り替える必要があり、それぞれの色の文字を個別に集中して読むことができます。

大切な部分を際立たせたり、周辺情報を十分に記せたり、光と影を描けたり、視覚が持つ境界を利用することでノートの新しい使い心地が生まれます。


――こだわりのポイントはどこ?

黒と白のインクが同等に映えることを第一に考え、グレーの紙色や罫線の印刷にも細かい検証を重ねてきました。

ノートのサイズは、定形でない少々特殊なサイズを採用しています。最近は、仕事用のノートとして大きすぎないA5サイズの需要が増えています。今回はA5サイズをベースとしながらも、コクヨにとって初めてのサイズに挑戦しました。

ノートを開いたときに、パソコンのディスプレイでも採用されるアスペクト比16:10のサイズになるように設定されているため、パソコンとの併用にも適しています。フラットに開く製本技術により、見開きで活用しやすいのも特徴です。
 

(※動画はデザインコンペ時の商品アイデアを紹介したものです。商品化されたノートの効果を示すものではありません) 

このノートは、文房具の商品デザインをユーザーから集めて商品化をめざす国際コンペティション「コクヨデザインアワード」の2018年優秀賞受賞作品を商品化したもの。

過去にはたくさんの角を持つ消しゴム「カドケシ」などが商品化されたこのデザインアワードだが、2018年のテーマは「BEYOND BOUNDARIES」ということで、「白と黒で書くノート」のキーワードとなっているのが、「境界」という言葉だ。

「紙の色に対して暗い色と明るい色の文字は同時に読みにくい」という視覚が持つ性質を利用し、白と黒の中間色である灰色をページの色にすることによって、灰色より暗い「黒」と明るい「白」のコントラストを強調。

紙の色を境界に、白と黒の明度差で描くというコンセプト​によって作られているという。

「赤ペンチェック」も使える?

――「白と黒で書く」ことのメリットは?

黒インクに対してより目立たせるためにカラーインクを使用する場合と異なり、「白と黒で書くノート」は黒インクと白インクの明暗のコントラストを利用し平等に区別することを得意としています。

都度見たい方の色に集中することができ、しっかりと区別をつけながらも落ち着いたトーンでノートをまとめることができます。
 

――従来の「赤ペンチェック」も使える?

通常の白い紙のノートに書いた時に比べ、発色は悪くなりますが赤ペンでも記入することは可能です。その場合、明度の差を利用した効果はありません。


もちろんカラーペンを使うことも可能だが、その場合は少々発色が悪くなるということなので、たくさんの色を使ってカラフルにノートをまとめたい!という人には少々不向き。「白と黒で書くノート」を使う際はこだわりの紙色を生かしたペン選びも大事だ。
 

「気軽に絵を描いてみるだけでも新しい発見が」

――「白で書けるノートが欲しい」などの要望は以前からあった?

コクヨデザインアワード2018の受賞が決まり作品の展示を行った際には「商品化されたら購入したい」という声をいただきました。

白いペンで書くことができる黒い紙のノートはすでに愛用されている方も多いですが、白いペンと黒いペンどちらも使えるというアイデアはとても新鮮に感じていただけたようです。


――発売への反響は…

想像以上の反響をいただいております。発売前からたくさんの方がSNSで自分だったらどう使うか、どんなアイテムと一緒に使うかなどアイデアを投稿してくださり、すでに多くの気づきがありました。

「白と黒で書くノート」は、6月25日からコクヨの公式オンラインショップなどで1冊900円(税抜)で販売される。

「光と影が描きわけられる特徴を使って、本格的なデッサンやスケッチにご使用いただくのはもちろんですが、気軽に絵を描いてみるだけでも新しい発見が生まれ、楽しんでいただけると思います」と話している。

自由な発想を伸ばしてくれそうな新感覚ノートではあるが、最近手書きの機会が減った…と思っている人も、是非いろいろなシチュエーションで使ってみてほしい。

【関連記事】
「文房具総選挙2020」1秒で乾く筆ペン!指差すだけで翻訳…ではベスト1に輝いたのは?
水で習字の練習が1万回できる「水書用紙」で汚れの心配なし…パイロットに仕組みを聞いた